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ひとりひとりのボランティアが各家庭で保護犬を預かり、幸せな家庭へとつなぐ活動

関東を中心に、不幸な境遇の犬たちを救って新しい家族を探す活動をしている動物愛護団体、NPO法人アグリドッグレスキューの活動を紹介します。

捨て犬であふれる公園をあえて団体の名前に

2019年よりNPO法人アグリドッグレスキューの3代目代表を務める清永さつきさん。自宅をプチシェルターの場として活用し、常に10頭以上の保護犬の預かりをするほか、譲渡会の開催や動物愛護精神の普及など、精力的に活動
2019年よりNPO法人アグリドッグレスキューの3代目代表を務める清永さつきさん。自宅をプチシェルターの場として活用し、常に10頭以上の保護犬の預かりをするほか、譲渡会の開催や動物愛護精神の普及など、精力的に活動
NPO法人アグリドッグレスキュー(以下アグリ)は、おもに関東圏の行政が運営する愛護センターなどに収容されている保護犬を引き取り、新しい家族へ譲渡する活動を行っています。
 
設立は2007年、当初は少数のボランティアが千葉県を中心に活動をしていました。

「『アグリ』という名称は、関東にある公園の名前からとったんです。その公園には、犬を捨てに来る人が後を絶たず、行き場を失った犬が放浪していました。その状況を見兼ねた初代代表が、数人のボランティアと、犬の保護に乗り出したのがきっかけなんです」と話す清永さつきさん。
現在アグリの3代目の代表を務めています。
 
アグリに登録しているボランティアの数は、設立から15年たった現在、約90名となり、2021年には「NPО法人」の認証も得ました。

ボランティアが家庭で保護犬の預かりをする利点

撮影/筒井聖子
撮影/筒井聖子
動物保護団体の多くは保護犬を一時的に保護する専用施設をもっていますが、アグリは、保護犬を収容するシェルターはもたず、登録ボランティアが各家庭で保護犬の預かりをしているところが特徴です。
「不遇な環境に置かれていた保護犬を、一般の家庭で預かることには多くのメリットがあるんです」と清永さんは解説。
推定10才の預かり犬のういろうくんは、目が不自由ですが、清永さん宅で元気を取り戻しました
推定10才の預かり犬のういろうくんは、目が不自由ですが、清永さん宅で元気を取り戻しました
たとえば、引き取った保護犬たちは、早い段階で家庭での生活に慣れさせられるので、新しい家族に迎えられたあとも、比較的早くに順応できること。また、預かりボランティアが、一頭一頭のケアを丁寧に行えることなどが挙げられるそう。

「多くの預かりボランティアの自宅にはその家の愛犬がいますが、保護犬もその犬と同じように家の中で自由に過ごし、家族とふれあうようにしてもらっています。警戒心が強かったり、ビビリな保護犬でも、家族といっしょに過ごすうちに、少しずつ心を開くようになるんです」
清永さん宅で預かっているせんべえくん。交通事故にあいケガをした状態でセンターにいました
清永さん宅で預かっているせんべえくん。交通事故にあいケガをした状態でセンターにいました

譲渡後も里親さんのサポートをすることで、自然と絆が深まっていく

「里親希望者さんが現れたときは、まず各預かりボランティアがその方と話し合いを重ね、譲渡条件に合うかを確認します。譲渡可能と判断されたら、最終的に代表の私がその方とお話し
して譲渡を決めるようにしています」と清永さん。
譲渡会に初めて参加したリクくん(推定1~2才)。預かり先のボランティアさんといっしょなのでリラックスした表情に
譲渡会に初めて参加したリクくん(推定1~2才)。預かり先のボランティアさんといっしょなのでリラックスした表情に
譲渡後も、預かりボランティアは里親さんの相談には親身に乗るようにしているので、自然と里親さんとの絆は深まっていくとのこと。
アグリでは、2年ごとに『里親交流会』も開催。2018年の会では、約200組の飼い主さんと犬が集結しました。
「譲渡後も里親さんのサポートをすることで交流が深まり、ともに活動したい!とボランティア登録してくれる里親さんも増えて、うれしく思っています」
次回は、保護犬たちと暮らすために新築した、工夫にあふれる清永さんのご自宅の様子をご紹介します。

※各情報は2021年12月7日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2022年2月号『犬のために何ができるのだろうか』
写真/筒井聖子
取材・文/袴 もな
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