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飼い主さんに朗報! 犬を飼うメリットの最新研究|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.129
今回は飼い主さんにうれしいお知らせが。 最新の研究によると、現在犬を飼っている人は、一度でも飼ったことがない人に比べて要介護状態のリスクが半減するそう。これまでに報告された、犬を飼うメリットの研究報告も交えて西川先生が解説します(編集部)。
犬とのふれあいが人にもたらす効果に関しては、以前からさまざまな研究報告がなされています。そうした研究報告にまたひとつ、新たなものが加わりました。
「犬を飼っている人は飼ったことがない人に比べ、 介護が必要になったり、亡くなったりするリスクが半減する」
そうした調査報告を、国立環境研究所及び東京都健康長寿医療センターの研究チームが、今年2月に科学誌『プロスワン』に発表しました。
犬好きならすでに知っている? かも……ですが、初めて聞く! という方もおられるかもしれませんので、今回はそのお話を。
科学誌『プロスワン』に発表された研究報告
目を通したところ、調査はまず1万人以上の高齢者からペット(犬や猫、その他)と一緒に住んでいたかどうかの情報を集めている。その後その人たちを約3.5年間にわたって追跡調査をしている。
結果「犬を飼ったことがない人の要介護や死亡のリスク」を1とすると、犬を飼っている人のリスクは0.54倍、ということがわかったということです。
「飼っている人」と「飼っていない人」とに差があるという報告であれば、それほどの驚きはないのですが、この調査のおもしろいところは「飼っている人」と「飼ったことがない人」との差を明らかにしているところです。
今は飼っていなくても
それによると、「犬を飼ったことがない人の要介護や死亡のリスク」を1とすると、過去に犬を飼っていた人のリスクは約0.85倍だった、とのことなのです。
現在犬を飼っていなくても、これまで飼ったことがあるのなら、これまた健康寿命も寿命そのものも長いというお話。
もっとも、現在飼っている人は0.54で、過去に飼ったことがある人は0.85という数字なので、やっぱり現在飼っている人が、ダントツによろしいわけです。
犬には散歩がつきものだから
そしておそらく猫よりも犬の方がより効果がある。この仮説は、以前よりもありました。
その理由は、犬には散歩が必要で、その運動量の差が猫よりも優位にするということ。それと散歩に出ることによって、犬の飼い主同士のコミュニケーションが生まれ、その他者との関わりの差も健康維持に影響するはず、というものでした。
しかしながら、今回の研究報告によると前者の可能性はあるが、後者の可能性に関しては「?」という感じでした。
ちなみに猫に関してですが、今回の報告では飼っている人とそうでない人の間で、統計学的に何かしらの差があるとはいえなかったようです(とはいえ猫とのふれあいが健康に良いという過去の説を否定するものでもないとも)。
ところで、犬を飼っていたことも影響するのであれば、過去に何頭も飼っていれば、その頭数分リスクは軽減、さらに現在も何頭も飼っていれば……これはもはや向かうところ敵なし的にリスクは軽減するのであろうか?
そうであれば私の場合、かなりのリスク軽減がなされていることになるわけですが……。
まぁ、そんなわけがあるはずない。ですね……きっと。
西川文二氏 プロフィール
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