1. トップ
  2. 犬が好き
  3. エンタメ
  4. 海外事情
  5. 最愛のペットを失ったそのとき、私たちの体に起こるかもしれないこと

犬が好き

UP DATE

最愛のペットを失ったそのとき、私たちの体に起こるかもしれないこと

微笑む犬
愛する家族であるペットを失うことは、誰しもとてつもない痛みを伴います。それを想像すらしたくない……という人もきっと多いはずです。

しかし、それはいつの日か訪れてしまうもの。大きな悲しみの淵に立たされた私たちの体には、どんなことが起こるのでしょうか?

この記事では、アメリカに住むジョニー・シンプソンさんのケースを紹介します。

愛犬を亡くした悲しみで、「たこつぼ心筋症」に

「シンプソンさんは愛犬のヨークシャー・テリア、メハを亡くしてしまいました。それから間もないある日の真夜中、彼女は強烈な胸と背中の痛みで目を覚まします。 20分後、彼女は地元の救急病院へ搬送されますが、その症状から医師は彼女が重篤な心臓発作を引き起こす可能性があると判断。心停止に対して本格的な体制を持つヒューストンの病院へ彼女を輸送します。 しかし、到着したヒューストンの病院の検査で、医師の予想は間違いであるとの結論が下されたのです」 (People Petsより引用・翻訳)

彼女の症状は、実は心臓発作ではなく「たこつぼ心筋症」といわれるものだったのです。

この聞きなれない病名(英語でもtakotsubo cardiomyopathyと表記します!)の症状は、心臓発作と非常に似通っており、ときに「心臓発作の模倣」とすらいわれるよう。

日本では大震災のときに、たこつぼ心筋症の患者が増加

歩くコーギー
この「たこつぼ心筋症」は、主にパートナーや子どもなどを亡くした際など、感情的に深い喪失を感じたときに起こるとされています。

あるいは、体のストレスホルモンが大きく増大したときなどに、健康な心臓を持った人にも引き起こされるとも。実際に、日本でも2004年の新潟県中越地震や2011年の東日本大震災の際に、患者が増加したとの報告もあります。
シンプソンさんにとって、パートナーや子どもなどを亡くしたときの「深い喪失」に該当する出来事が、最愛の愛犬メハを亡くすことだったのです。

彼女が2016年に受けたこの診断は、ペットの死が心臓に深刻な影響を与えたケースとして学術誌に掲載されました。
シンプソンさんが感じた痛みや喪失感は、「ペットを家族や親友として迎え入れた人たち」の多くが感じる悲しみの一例。ペットを失うことは、人間の家族や親友を失うのに匹敵する悲しみである、という証明でもあるのです。

ペットを看病する飼い主の「心の負担」の大きさ

佇む柴犬
また、People petsによると、このようなことも指摘されています。

「最近になり、獣医師により、深刻な病気を持つペットを世話する飼い主の『介護者としての心の負担』を無視することはできないといわれ始めています」 (People petsより引用・翻訳)

シンプソンさんは、医師から自身のたこつぼ心筋症ついて聞かされたとき、驚きませんでした。なぜなら、彼女にはその理由が愛犬メハの死にあるとわかっていたからです。

「メハは当時9歳でしたが、重いうっ血性の心不全を患っていました。シンプソンさんは母親のように献身的にメハを介護しましたが、メハの年齢と重い症状を鑑みて、彼女は『娘』と呼んでいる愛するメハを、安楽死させることを決めます。それは、彼女にとって、とてもとても辛い決断でした」 (People petsより引用・翻訳)

愛犬を安楽死させると決断したことーーそのときのシンプソンさんの気持ちは、耐え難いものだったことでしょう。

愛犬を亡くしても、動物を愛することはやめない

愛犬メハを亡くし、深い悲しみに暮れたシンプソンさん。快方に向かうなかで、このように思っているのだそう。

「これからも、動物を愛することを止めることはない」 (People petsより引用・翻訳)

「毛むくじゃらの親友を失う痛みは、とてもつらいものです。それでも彼らが生きている間に私たちに与えてくれる途方もない愛は、それほどに価値があるものなのです」 (People petsより引用・翻訳)

運命の出会いを感じたら、彼女は新しい犬を養子として迎え入れたいと思っているようです。

微笑むダックスフンド
シンプソンさんが経験した「たこつぼ心筋症」は、飼い主であれば誰でも起こりうることなのかもしれません。

もはや“家族”ともいえる最愛のペットの死ーー自身の体に症状が出てしまうことが証明しているように、つらい経験といえます。

しかし、深い悲しみに暮れてしまうほどの“かけがえのない存在”に、一生の間に出会えたということ。偶然だったのか、必然だったのかはわかりませんが、ペットとの出会いは私たちの人生において、紛れもなく幸福なことだったのです。

彼らの死を受け入れることができたとき、そんなことを感じられるのではないでしょうか。
引用・翻訳/People pets「Woman Diagnosed with Broken Heart Syndrome Following Her Dog's Death」
文/五反田マモル
CATEGORY   犬が好き

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬が好き」の新着記事

新着記事をもっと見る