1. トップ
  2. 犬が好き
  3. 犬の瞳【穴澤賢の犬のはなし】

犬の瞳【穴澤賢の犬のはなし】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

犬の瞳

いぬのきもちweb

大吉と福助を見ていると、その眼差しの違いに驚く。大吉の目は文字どおり「口ほどにモノを言う」のに対し、福助の目は何を考えているのかいまいちわかりにくい。その差は、おそらく年齢が関係しているのだろう。

いぬのきもちweb

今年の夏で4才になる大吉は、人間の行動パターンや生活サイクルをかなり理解していて、何もないと判断したら目からは好奇心が消え、寝たりまどろんだりしている。そういうときは何かを目で訴えてくることもない。が、散歩の時間が近づいてくると、キラっとした目になり「そろそろだよね?」と無言で訴えてくる。

いぬのきもちweb

これが散歩の催促ばかりではなく、たとえば外で大きな物音がしたときなど、一瞬ビックリして音がしたほうへ行くのだが、振り返って「ちょっと、今の何? 見てきてよ」的な目(と表情)をすることもある。福助がしつこくて「もう、こいつなんとか言ってやってよ」的な目を向けてくることもあるし、とにかく大吉については目と表情から何を言いたいのかがよくわかる。

いぬのきもちweb

それも一方通行ではなく、こちらの意志も大吉にはわかるらしい。たぶん彼も人間の表情や態度から読み取っているのだろう。出かける支度をしていると、いち早く察知して自分もいっしょに行けるのか、そうでないのかを探る目をする。「今日は留守番、大吉は留守番な」というと、なんだそうなのかという態度になるし、黙っていても大吉のおでかけグッズなんかを持ち出してくると、確信に変わり目を輝かせる。

いぬのきもちweb

この前驚いたのは、出かける準備をする前の段階で、座ったまま目も合わせず試しにぼそっと「今日はこれからいっしょに出かけるよ」と言ってみたら、その瞬間にしっぽをふって色めきだしたので、単語というより文章レベルで理解できているのかもしれない。そんなような感じで、気がついたら大吉とはほとんど困ることのないレベルでコミュニケーションがとれるようになっている。

いぬのきもちweb

対してまだ1才になったばかりの福助はというと、眠いとき以外は好奇心に満ちたまん丸な目をしており、何かをするときも必ず大吉の行動を確認している。こちらの意志も、自分の名前を呼ばれることと、誉められているのか、叱られているのかくらいは理解しているようだが、そこから先が読み取れないらしい。悪さをしているのを見つけて「こら!」というと、動きは止まるのだが「なんで?」という目を向けてきたりする。ふだんの暮らしの中でも、気がついたら福助のまん丸い目がじっとこちらを見つめていることが多い。

いぬのきもちweb

あまり意識しなかったが、幼いころは大吉もそうだったはずだ。たぶん犬はこうして飼い主を観察しながら成長していくのだろう。でも、大吉がいつから今のような優しい眼差しになったのか全然思い出せない。たぶん少しずつ変化したと思うが、はたして福助も大吉のような瞳になる日が来るのだろうか。今度はしっかり見守っていきたいと思う。とりあえず今のところ、そんな兆しはまったくないが。

いぬのきもちweb

穴澤賢の最新刊『また、犬と暮らして。』発売中
Another Days
富士丸な日々
DeLoreans-shop

犬が好き

更新

関連するキーワード 一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい!
「犬が好き」の新着記事

新着記事をもっと見る