犬の知能は人に例えると2歳半~3歳未満って本当?
「犬種別知能ランキング」を発表したことで有名な、カナダの心理学者スタンレー・コレン氏は、犬は人に例えると「2歳半」くらいの知能を持つと考えています。一方で、アメリカの心理学者ジョン・ピリー氏は、犬は3単語の組み合わせを理解できる可能性があるとしており、「3歳未満」程度の知能があるのではないかと述べています。
そして、このようなさまざまな見解やデータから複合的に考え、一般的に犬の知能は人の『2歳半~3歳未満』に該当すると言われるようになりました。それでは、具体的にどのようなことができるのか見ていきましょう。
単語だけではなく喋っていることも理解できる?
犬は、「ボール+トッテ」「コッチ+オイデ」などと、2つの単語の組み合わせを理解できるとされており、場合によっては3つの単語の組み合わせも理解できているという見解もあります。ただし、これは単語の「意味」を深く理解しているのではなく、単語を「音」として聞き取って判断しているのだと考えられています。
1000語以上覚えた犬がいるって本当?
犬は2~3単語の組み合わせであれば、人が喋っていることを理解できると前述しました。しかし、なかにはかなりスゴイ「天才犬」も!アメリカの心理学者ジョン・ピリー氏の愛犬「チェイサー」は、おもちゃの名前を1000語以上覚えて、かつ区別することができたと言われています。
ただし、これは1日4~5時間ものトレーニングを3年間続けた結果。家庭犬でこれだけのトレーニングをこなすのは、かなりの難易度と言えるでしょう。
その他犬が理解できること・できないこと
このほかにも、犬の知能が人の「2歳半~3歳未満」だと考えられている理由がいくつかあります。
死を理解できない
人が死を理解できるようになるのは、3~4歳ごろだと言われています。犬は数の有限・無限を理解しないので、自分の命に限りがあることを知らず、死を恐れません。体調の悪さから多少不安になることはあっても、未来を心配せずに過去を振り返ることもないのです。
人の立場に立たないと理解しにくい感情を理解できない
羞恥心・罪悪感・軽蔑など、相手の立場になってみないと分からない感情は、人だと3歳以降に理解できるようになると言われており、犬には理解できないと考えられています。
自己認識力はない
自分をどこまでわかっているか調査する「鏡のテスト」があります。気づかれないように顔に白い粉をつけ、鏡を見せてそれに気づいて取るかどうか実験したところ、人の3歳児はできましたが、犬はできませんでした。
犬の能力の可能性はまだ解明されていないことも
このような実験結果などからも、犬の知能を人の「2歳半~3歳未満」だと考えるのは妥当だと分かります。ただし、トレーニング次第では1000語以上覚えられることを考えると、犬は我々が予期しないほどの知能を持っている可能性も捨てきれません。これからも犬に関する研究結果に基づいた最新情報はご紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね◎
出典/ 「いぬのきもち」 2018年4月号『あなたの愛犬はどのくらい賢い?犬の知能に迫る』(監修:しつけスクール「Can!Do!School」代表 西川文二先生・京都大学大学院文学研究科教授 藤田和生先生)
文/hasebe
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。