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犬の生活の質を重視する「アニマルレフュージ関西」とは

QOLを考えた動物福祉施設「篠山(ささやま)アーク」完成を目指しながら、動物の保護活動を続ける「アニマルレフュージ関西」の取り組みを紹介します。

※保護犬の情報は2018年2月7日現在の情報です
<span style="font-size:smaller;">撮影/尾﨑たまき</span>
撮影/尾﨑たまき

「犬の生活の質=QOL」 を大切に考え、命と向き合う アークのこだわり

イギリスから来日したエリザベス・オリバーさんにより、動物救援組織として設立された「アニマルレフュージ関西」(頭文字をとってARK、以後アーク)。1990年、小川が流れる自然豊かな大阪の山奥「能勢(のせ)」にある一軒家から始まりました。その後、犬舎と事務所を建設。それがアーク最初のシェルターです。

手作りの犬舎が少しずつ増設され、今では迷路のようにたくさん建ち並んでいます。これらの多くの建設に携わったのが、12年前からアークで働いている奥田昌寿さん。当時、アークを取り上げたドキュメンタリー番組を見たことがきっかけで、アークの門をたたきました。

「アークは動物を保護して新しい飼い主さんを探すことが目的ですが、加えて重要視しているのが『犬の生活の質(QOL=クオリティ・オブ・ライフ)』です。犬舎では基本的にはつながない、毎日の散歩を充実させる、人とのふれあいを増やすなど、ボランティアさんの力を借りながら、犬の幸せを考えて行っています」と奥田さんは話します。

能勢の山奥にあるアークは、自然豊かな場所。現在140頭近くの犬が保護されている


幼いころから犬と向き合ってきた、在籍12年のベテランスタッフである奥田昌寿さん。得意なものづくりも活かしながら、進化するアークを支える

海外からもボランティアやインターンを受け入れる


アークの設立者エリザベス・オリバーさん。揺るぎのない信念のもと、日々動物の幸せを考える

アークを訪れる人は日本のみならず、海外からの見学やボランティア、さらには動物関係の学校から、インターンシップとして2〜3カ月の長期滞在で来日する学生も増えています。代表のオリバーさんは、日本人の動物への向き合い方についてこう話します。

「海外だと虐待になることが、日本では普通と考えられることがあります。たとえば散歩も行かず、外でつなぎっぱなしにすることはある意味虐待です。また、病気や老衰で何日も苦しみ、もう助ける手立てがない場合は、安楽死という選択もありではないでしょうか。痛みから解放して天国へ旅立たせることもひとつの方法ではないかと私は思います。また最近は、行政が『殺処分ゼロ』を目指し、飼い主さんからの引き取りを断るケースも増えたので、アークへの相談がかなり増えました。飼い主さんの事情(病気、倒産、死亡など)もあるため、飼い主さんやその家族としっかり相談して、その犬の今後をいっしょに考えます」とオリバーさんは話します。

現在、能勢と篠山のスタッフ合計26名。週休2日で保険も完備され、スタッフにも手厚い


小型犬やシニア犬などは、人の目が行き届くよう、スタッフ休憩室でともに過ごす


4兄弟で保護された、人見知りする犬たち。毎週訪れるボランティアさんには心を許している様子

2回目の記事はコチラから>>

いぬのきもちWEB MAGAZINE|犬を「飼う」のではなく「一時預かり」のボランティアが支える保護活動

出典/『いぬのきもち』2018年4月号
取材・撮影・文/尾﨑たまき
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