チャーリーがため息をついた日|吉田山田の期間限定連載「チャーリーとぼく」
犬と暮らす人・暮らした人なら誰でも感情を揺さぶられると、今話題の曲「赤い首輪」。二人組アーティスト・吉田山田のこの曲は、吉田結威さんの愛犬・チャーリーへの想いが歌われています。「いぬのきもちWEB MAGAZINE」では、期間限定で特別に、吉田さんに寄せていただいたエッセイをお届けしています。
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人以上に人のような愛犬チャーリー

「吉田山田」というお笑い芸人さんのような名前で音楽活動しています、吉田山田のギターとヴォーカルを担当している吉田です。僕はよく自分の愛犬に対して「自分のこと犬だと思ってないのでは…?」と思うことがあるのですが、多くの愛犬家の皆さんがそう感じる瞬間があるのではないでしょうか。今日はその中でも特に「ヒト以上にヒトだった瞬間」のお話をしたいと思います。
吉田山田という名前なので、御察しの通り山田という相方がいるのですが、彼とは高校の時からの付き合いで、まだ僕が実家に住んでいる頃はよく山田が家に来て曲作りをしていました。今思えば制作に行き詰まる度に僕は「ちょっと休憩」といって自室を出て別の部屋にいるスムースコートチワワの愛犬・チャーリーのお腹に顔を埋めて「ううむ」と唸っていました。(あのとき、山田はなにをしてたんでしょうかね…)
「山田くん、いい加減にしてよ…」(※想像)

そんなある日、制作もひと段落して当時よく2人で食べていた稲庭うどんを食べ終えリビングで2人と1匹でマッタリとしていました。僕はテレビを観ていて、山田はチャーリーと遊んでいました。
ふと、彼らはどんな風に遊んでいるんだろうと気になり、山田に目をやると、山田は「お座り」の状態のチャーリーの背中とお尻辺りを、こちょこちょくすぐっていました。しばらくすると、チャーリーは軽く嫌がるそぶりで振り返り「噛む素ぶり」をします。「ちゃんとお腹を撫でてよ~」と言わんばかりに、山田に前脚を差し出すチャーリー。それを一旦無視する山田。背中を向けて「お座り」したところで再度くすぐる山田。噛む素ぶり。「なにしてんねん」という言葉を飲み込み、しばらくその不毛なループを眺めていました。
5、6回そんなことを繰り返した頃でしょうか、何度も背中とお尻をくすぐってくる山田に対して、チャーリーが怒るでもなく、振り返るでもなく、どこかにいくでもなく、なんと大きなため息を吐いたのです。
「ハァ…」
僕も山田も思わず「エッ」と驚きました。
犬のため息。みなさん聞いたことありますか?
あんなに大きな目を細めて、遠くを見ながら「ハァ…」。とても重たいため息でした。
愛犬チャーリーの「ヒト以上にヒトだった」瞬間でした。
文/吉田結威(吉田山田)
【お知らせ】13枚目のシングルはTVアニメのエンディング曲!
2/20に発売される吉田山田の13枚目のシングル「桜咲け」が、1/25から放送されているTVアニメ『火ノ丸相撲』エンディング曲として流れています。
「週刊少年ジャンプ」(集英社刊) にて連載中の漫画「火ノ丸相撲」は、高校相撲に夢をかける青春ロマン。シングルの【火ノ丸盤】のジャケットは、このアニメジャケット仕様、さらに吉田山田メンバーセレクトによる入門盤がついています!

吉田山田 プロフィール
吉田結威(Gu/Vo)と、山田義孝からなる二人組アーチスト。2009年10月に「ガムシャランナー」でメジャーデビュー。2013年12月に放送を開始したNHKみんなのうた「日々」が「泣ける歌」として話題になり、5度の再放送を経てロングセールス記録。YouTubeの再生回数は1200万回を超えた。全国の重ねてきたライブ活動によりファンの熱い支持を得ている。2018年10月31日に、6枚目のフルアルバム「欲望」をリリース。来年のデビュー10周年に向けて活動中。3月2日から、自身2度目となる47都道府県を巡る弾き語りツアー「吉田山田47都道府県ツアー〜二人またまた旅2019〜」を開催。
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