今までつらい思いをした分、これからはニコニコ笑って楽しく過ごせるようにーーこのような飼い主さんの願いが込められて名付けられた、トイ・プードルのニコちゃん(♀・9才)。
元繁殖犬だったニコちゃんは、6才半頃のときに繁殖屋から保護されたコでした。
その後、「保護犬カフェ」で今の飼い主さんと出会い、第2の犬生を送ることとなります。そんなニコちゃんと飼い主さんの出会い、今の姿を紹介します。
ニコちゃんとの出会い
飼い主さんのお姉さんが保護犬カフェから子犬を迎え入れたことをきっかけに、初めて保護犬カフェの存在を知った飼い主さん。
もともと飼い主さん自身も犬を飼うことを考えていたそうで、「少しでも長く一緒にいたい」という思いから「保護犬のなかでも子犬で合うコがいれば」と、保護犬カフェに何度か足を運んでいたのだとか。
そんななか、飼い主さんはニコちゃんが保護されたことを保護犬カフェのブログで知ることに。
「6才半でしたが何かが気になって。すぐ会いに行ったらピンときたんです。子犬じゃなく健康状態も詳細は不明でしたが、その日のうちにお迎えを決めました」
ニコちゃんを見て、運命のようなものを感じた飼い主さん。
そしてここから、ニコちゃんと飼い主さんの新しい生活が始まったのでした。
少しずつ「犬らしさ」を取り戻したニコちゃん
出会った日、一言も鳴かなかったというニコちゃん。でも、飼い主さんのおうちに着くと、「ワン」と鳴いてくれたのだそうです。
それからしばらくは、鳴くことはあってもなかなか自分の感情をうまく表現できない日々が続きます。
そんなニコちゃんですが、飼い主さんのおうちで暮らすうちに徐々に変化が見られるように。
「今では感情が出せるようになり、犬らしくいろんな鳴き方ができるようになりました。家に来た当初は、おもちゃで一切遊びませんでしたが、今はボール遊びが大好きです」
飼い主さんと出会う前のニコちゃんは、ふつうの家庭犬が経験するようなことをしてこなかったのかもしれません。
でも今、飼い主さんの愛情をたくさん感じながら、ニコちゃんは犬らしさを少しずつ取り戻していったのでした。
ニコちゃんの体にも変化が見られた
「7才を過ぎていたのに、気づいたら体長・体高共に5cmずつほど大きくなりました。出会った当初はガリガリに痩せ細っていて、体重が1.5kgしかありませんでしたが、今は2.1kg前後に落ち着きました」
「まともにご飯ももらえない状態で子どもを産まされていたために、自分自身は成長できなかったのではないかと思います」
そしてニコちゃんの小さな体には、今も帝王切開の痕が少なくとも2本残っているそう。
「健康状態でまだ安心できない部分もありますが、ニコができるだけ健康に元気で楽しく暮らせるよう、これからもサポートしていきたいです」
うちのコになってくれてありがとう️!
甘えん坊で、飼い主さんに「大好き」という気持ちを全身で伝えてくれるニコちゃん。ニコちゃんと一緒にいられるだけで毎日が本当に幸せだと、飼い主さんは話してくれました。
「ニコ、うちに来てくれてうちのコになってくれてありがとう️。毎日たくさんの愛情をくれて、かわいい姿に癒されて幸せです。長生きしてたくさん一緒にいようね」
つらい経験をしたけれど、懸命に乗り越えて、飼い主さんのもとに幸せを運んでくれたニコちゃん。
ニコちゃんは今、飼い主さんとともに笑顔溢れる第2の犬生を楽しんでいます。
参照/Instagram(
@ecru430)
取材・文/雨宮カイ