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犬が噛んだときしてはいけないこと|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.6

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「いぬのきもちWEB MAGAZINE」より新たにスタートした連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回のお話は、犬のあま噛みについて。なんでも噛んで破壊されてほとほと困っている飼い主さんに読んでほしいお話です。(編集部)


「飼い主にあま噛みをしたらマズルをつかめ」
「手をあま噛みしてきたら、逆に犬の口の中に手を突っ込め」
獣医さんやペットショップでそう言われたんですけど、やっていいんですか?
いずれも前回お話した「結果的に嫌なことが起きる行動は減る」という行動原則に、「う・ま・く・は・ま・れ・ば」、改善するように思えるかもしれません。
でも、「結果的に嫌なことが起きる行動は減る」という行動原則は、前回お話したように、それを機能させるためには条件があり、条件が整ったとしてもさらなる問題を生み出す可能性があります。

そもそもあま噛みはなぜするのか?

犬は生後3週齢で歯が生え始め、3〜4カ月齢から抜け替わりが始まり、第二次性徴期の前後までに抜け替わりが終わります。その間は、何でもかんでも噛みたがります。
先祖の捕食行動のなごりを遊び行動として行っている。顎の発達、脳の発達のために成長段階で必要。適切な歯の抜け替わりが促される……などなど、いうなれば子犬たちは、動くものを追いかけ噛みつく、噛み心地のいいものをカジカジ噛み倒す、そうした行動が生まれながらにプログラミングされている、ということです。
すなわち、あま噛みは自然な欲求に基づく、成長期における自然な行動なのです。

↑動くものを追いかけて噛みつくのは自然な行動
↑動くものを追いかけて噛みつくのは自然な行動

自然な欲求は積極的に満たす

動くものを噛みつきたくなる欲求は、引っ張りっこ遊びで満たします。カジカジしたい欲求は、フードを仕込んだゴムのおもちゃや牛皮のガム、アキレス、木のおもちゃなどで満たします。
一方で、噛まれて困るものは「しまう」「行かせない」「カバーをする」「嫌がる味の液体を塗布する」といったことを徹底します。
手を噛むのなら、犬が噛める位置に手は置かない。犬をなでようとすると噛むのなら、なでるときはフードをかじらせながらなでる。手の甲に苦い液体を塗って、噛んできたらそこを噛ませるのもいいでしょう。
噛みつきへの欲求は、第二次性徴期を迎え歯の抜け替わりが終わると、次第に減っていきます。その後は、それまで噛んでいたものを噛む習慣が残り、やがて目新しい何かを噛むということがなくなっていきます。

↑カジカジ噛む欲求も積極的に満たしてあげる
↑カジカジ噛む欲求も積極的に満たしてあげる

リスクのあることはやらない

叱ることでは、犬の欲求を満たすことはできません。欲求が満たされないと何が起きるか。フラストレーションが生じます。フラストレーションは、問題行動の要因となります。すなわち、あま噛みしてきた犬を叱るのは、改善に向かうどころか新たな問題の火種を生み出しているということなのです。
だったら、あま噛みしてきたら叱って、噛んでいいものを与えればいいのでは?
という声が聞こえてきそうですが、本気で噛みつくようになる、といったリスクをはらんでいることを忘れてはいけません。
叱る必要などないのですから、あえてリスクを犯す必要がどこにあるのでしょうか。
リスクのあることはやらない。前回の繰り返しになりますが、それが科学的なアプローチということ。叱る必要など全くないのです。

文/西川文二
写真提供/Can ! Do ! Pet Dog School

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『イヌのホンネ』(小学館新書)、『うまくいくイヌのしつけの科学』(サイエンス・アイ新書)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)など。愛犬はダップくん(14才)、鉄三郎くん(10才)ともにオス/ミックス。

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