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「諦める派」と最後まで「抵抗する派」【穴澤賢の犬のはなし】

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前回、『単語派?それとも文章派?』という話を書いたが、それ以外でも大福で違うことがある。

動物病院嫌いは一緒

たとえば動物病院はどちらも大嫌いで、出かける前はうきうきしていても動物病院に着くと不幸のどん底のような顔になるのだが、態度はそれぞれ違う。この話も以前書いたが、その様子をもう少しくわしく紹介したいと思う。人もそれぞれ、犬もそれぞれ、個性があっていいと思うのだ。

諦めのよい大吉

ちなみに、わが家では狂犬病予防と混合ワクチンは同じ日に打たないようにしている。必ずそうしなければいけないわけでもないが、拒絶反応などもしものことを考えて獣医師の勧めもあり、1週間は空けるようにしている。2週続けて動物病院に来るなんて大吉にとって悪夢なのだが、最終的には諦める。

診察台に乗せれば、大吉は「早く終わらないかな」という顔で諦めて、注射を打たれるときも大人しくしている。さらに血液検査の結果は良好だったが、この日は念のためエコー検査も受けることにした。血液検査では分からない小さな腫瘍がないかどうかチェックしておくためだ。

本来エコー検査の場合、毛を剃ったりすることもあるが、かかりつけ医である『横浜山手犬猫医療センター』では、液体を少し付けて手早く診てくれる。慣れないことをされている間も、大吉は諦めの境地で、実にやりやすい。その方が早く終わると分かっているのだろう。

暴れる福助の表情に注目

対して、福助は徹底的に抵抗する。そのため、私がガッチリガードするようにしている。さすがに獣医師をかんだりはしないのだが、こんな小さな体の割に、ものすごい力でジタバタ暴れて逃げ出そうとする。

注射するのも大変なのに、この日は慣れないエコー検査に全力で抵抗する。胸に少し液体を付けられただけで、痛くもなんともないはずなのに。私の隣にいるマッチョな助手でも抑えきれず、獣医師と3人がかりで「すぐ終わるから」となだめながら、急いでエコー検査をする。結果は大福ともに異常なし。良かった。

個性は尊重したい

諦めて大人しく従う物分りのいい大吉に対して、何が何でも嫌なことには全力で抵抗する福助。大吉の方が偉いし飼い主としては扱いやすいのだが、福助のそういうところは、それはそれで偉いと思う。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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