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私の存在そのものが犬たちのおかげできている|連載・西川文二の「犬ってホントは」#犬の日特別連載

11/1は犬の日。そこで「犬の好きなところ」について「いぬのきもちWEB MAGAZINE」連載陣の特別コンテンツをお届けします。
「いぬのきもちWEB MAGAZINE」が送る連載、家庭犬しつけインストラクター西川文二氏の「犬ってホントは」です。
今回は、西川先生が考える「愛犬へのありがとう」についてのお話。「愛犬」という言葉が好きではないという先生は、出だしからテーマにケチをつけていますが……。子どもの頃から犬に囲まれて暮らし、しつけインストラクターという職業柄、24時間のほとんどを犬たちと過ごす西川先生は、当然ながら犬が大好き。本当は心の中で、ありがとうと毎日叫んでいました(編集部)

愛犬にありがとうを叫ぼう……で、で、ですか。
実は私、愛犬という言い方が好きではありません。
犬は「相棒」的な存在。相棒は英語でパートナー。ということで、私は自分の犬を、パートナー・ドッグと呼ぶことにしています。
人生のパートナー、仕事のパートナー、という意味合いも感じられるので、言い方として気に入っている次第です。
それと「相棒」だからってわけではありませんが、「細かいことが気になってしまうのが、僕の悪い癖」って、「叫ぼう!」っていうのも、気になりますね。
何せ現在の私のパートナー・ドッグ、ダップと鉄三郎(以下・鉄)は、この文章を書いている今もかたわらで横になっていますので、叫ぶのはいかがなものかと。
ということで、この文章はややトーンダウンしますが「パートナー・ドッグにありがとうと言おう」ということで、進めさせていただければ、と存じる次第です。
さて、パートナー・ドッグに対する感謝の気持ちですが、これは小さなありがとうから中くらいのありがとう、さらに大きなありがとうまで、数えきれないくらいありますね。
体のサイズとベッドのサイズがあべこべなお二方。せっかく起こすのも何なので、 叫ぶのは遠慮しておきます

小さなありがとう

まず小さなありがとうですけど、これはもう、日々何回もあります。
過去に出会った海外のトレーナーの中には、ほめ言葉として「Thanks」と口にしている人がいました。
「Good」ではなく「Thanks」、
Sit→犬が座る→Thanks、という風に、です。
オスワリして→犬が座る→ありがと。
なんか、暖かな気持ちになったことを覚えています。
ダップと鉄は、仕事のパートナーでもあります。
しつけ教室では、デモンストレーションを生徒さんたちにお見せする。その仕事を見事にこなしてくれるわけですから、「頼りになるぜ!」、「ありがとよ」っていう気持ちに、毎日何回もなるわけです。
実際、デモンストレーションを終えて、クレートに戻す際に、生徒さんには聞こえないように呟くこともあります。
♪ ひるまの〜ダップ(てつ)は〜、ちょっとちがう〜♪ できる男たちの仕事っぷり

中くらいのありがとう

さて、中くらいのありがとうは、何か。
私は今まで、11冊の著書を残してきました。監修者として表紙に名前が記されている本は5冊、監修および出演者として登場しているDVDは4本。著書の訳本が海外で5冊。
こうした本やDVDを残すことができたのも、彼らがいたからこそ、です。
自分の本が書店に並ぶ(しかも海外でも)など、プロとして活動し始めた当初は、夢のまた夢と思っていました。
特に感謝の気持ちを強く持っているのは、初代パートナー・ドッグのPoohです。
彼を通じて、さまざまなことを学びました。マズルを掴んで叱るなど、今では間違いとされているようなことも、彼にはしていました。その反省も踏まえて、今ある方法論を確立していったわけです。
その方法論の土台は、私の初めての著書『犬は知的にしつける』として残せる形となりました。
彼がいたからこそ、プロの家庭犬しつけインストラクターとしての今の私がある。
Poohの話を始めると尽きません。1冊の本でも足りないくらい……って、Poohの話は『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間』に記しましたので、ご興味のある方はぜひご一読いただければと。
おっと、重要な仕事を忘れていました。
本誌『いぬのきもち』。創刊された年からこの日まで18年に渡り、紙面づくりのお手伝いをさせていただいていますが、それも、Pooh、ダップ、鉄がいればこそ、なのです。
手元にある著書、DVDなどを並べるとこんな感じ。一番手前左、深緑の本が初めての著書。その隣中央の本が、Poohのことを記した本

大きなありがとう

最後は、大きなありがとうです。
大きなありがとうは、パートナー・ドッグに限らず、すべての犬に対して言うべきかもしれませんね、私の場合は。
親がペット関係の仕事をしていたということから、小学校のころから犬がたくさん身近にいる環境で私は育ちました。多いときには20頭もの犬が家にいました。
私の大学の学費を払ってくれていたのは両親ですが、両親は犬に関わる仕事をしていたわけで、極端な話、私が大学に行けたのは犬たちのおかげともいえるわけです。
子どもたちを大学、大学院まで行かせられたのは、Pooh、ダップ、鉄のおかげともいえます。
学習の心理学から始まり、遺伝子のこと、脳のことと、次々と興味の対象を広げていけたのも、彼らがいたからこそ。
キラキラした目でいつも見てくれる彼らは、私の体内のオキシトシン(幸せホルモン)を増やしてくれているのでしょう。私の心拍数も、血圧も下げてくれているのでしょう。大病もせずに今日があるのも、彼らのおかげと言っても過言ではない!
かように挙げれば、もうきりがないわけです。
私の存在そのものが彼らのおかげででき上がっていると言ってもいいようなものでして、何はともあれ兎にも角にも、彼らには「大きなありがとう!!」なのです。
あれれ? 今、「!!」って叫んでいましたね、心の中で。
叫んでしまったからには、冒頭の一節は一部撤回せざるを得ませんね。
以上、「パートナー・ドッグにありがとうと(心の中で)叫ぼう」という、お話でした。

あ、それと、愛犬という言葉が好きではない、と記しましたけどその理由は連載コラムの方で明らかにいたします。ぜひそちもご一読のほどを。
今はなきPooh。子どもたちは、今やそれぞれが一人暮らし。パートナー・ドッグたちは、宝物もののような思い出を数多く残してくれます
文/西川文二
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html

西川文二氏 プロフィール

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。東京・世田谷区のしつけスクール「Can ! Do ! Pet Dog School」代表。科学的理論に基づく愛犬のしつけ方を提案。犬の生態行動や心理的なアプローチについても造詣が深い。著書に『イヌのホンネ』(小学館新書)、『いぬのプーにおそわったこと~パートナードッグと運命の糸で結ばれた10年間 』(サイゾー)、最新の監修書に『はじめよう!柴犬ぐらし』(西東社)など。パートナー・ドッグはダップくん(15才)、鉄三郎くん(11才)ともにオス/ミックス。
「11/1は犬の日#スマイルドッグ 愛犬へありがとうを叫ぼう!」を公開中!
大人気のインスタグラマーやいぬのきもちWEB MAGAZINE連載陣が犬の魅力を語ります!
「犬の好きなところ」アンケートによる「犬種あるある」記事もお楽しみに!

インスタグラムやツイッターでは、愛犬のとっておきの笑顔の写真も募集中!「#スマイルドッグ#いぬのきもち」でぜひ投稿してくださいね!
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