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犬は「フセからオスワリ」が苦手!?|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.48
前回の記事で、「オスワリからフセ」と「フセからオスワリ」の2パターンをご紹介しました。オスワリからフセはできる犬が多いですが、フセからオスワリができる犬が少ない理由に迫るのが今回のお話。フセからオスワリのやり方も解説しています(編集部)
「ウチのコ、オスワリもフセもできるようになったわ」と飼い主は喜ぶかもしれませんが、この段階では犬は「オスワリ」イコール「お尻を床につける姿勢」、「フセ」イコール「お尻を上げずに両肘を地面につける姿勢」と、理解したわけではありません。
もしそう理解したのであれば、前回のコラムでお話しした、「オスワリからのフセ」ができる犬は、「フセからのオスワリ」も容易にできるはず。
でも、できない犬も少なくないわけです。
犬は姿勢の移行のパターンをまず理解する
フセも同様です。
フセは多く場合、オスワリの状態から両肘を地面につける状態に移行すること。これを教えます。
そう教えられた犬は、フセはオスワリの状態からお尻を上げずに両肘を地面につける状態への移行のパターンを理解しているにすぎず、「フセ」イコールフセの姿勢、という結びつきをしているわけではない、ということです。
さて、フセからオスワリの移行ができなかった人たちに質問します。
あなたは、フセの状態からオスワリの状態への移行パターンを、過去に教えていますか?
ほとんどはフセからオスワリの状態への移行パターンを教えていない
フードを握り込んだ手で、フセの状態からオスワリの状態へと戻す。
フセの状態からオスワリの状態への移行がスムーズにできるようになったら、そこで「オスワリ」の合図をつけていきます(前回お話しした三項随伴性です)。
するとやがて、犬はフセの状態のときに「オスワリ」と指示すると、オスワリができるようになっていきます。
フセの状態からオスワリの状態へ……、でもこれやってみようとすると、意外と難しかったりします。
まぁトライしてみてください。
さまざまなパターンを教えることで犬は姿勢を意味する合図を理解する(のかもしれない)
そして、オスワリの状態から4つ足で立つパターン、4つ足からのフセへの移行のパターン、さらにはそれぞれの状態のマテも教える。
4つ足で立っている状態だろうとオスワリの状態だろうとお尻を下げた状態で両肘を地面につける移行パターンの合図は「フセ」、4つ足で立っている状態だろうとフセの状態だろうとお尻を床につける状態への移行パターンの合図は「オスワリ」、オスワリの状態だろうとフセの状態だろうと4つ足で立つ状態への移行パターンの合図は「タテ」。さらには状態に関わらずその状態をキープするのが「マテ」……。
この段階に入っていくことでやがて犬は、え? ひょっとすると「オスワリ」って、お尻を床につける姿勢のことだったの、「フセ」って……、「タテ」って……、「マテ」って、……と気づくのかもしれません。
いずれにしてもさまざまなパターンを犬に教え、先行刺激として合図を教えていくことです。
それで犬との意思疎通は十分とれるようになりますから。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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