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犬と子どもが上手に遊べると、幸せホルモンが増える|連載・西川文二の「犬ってホントは」vol.51
前回に続き、今回も「犬と子ども」にまつわるお話。犬と子どもを楽しく安全に遊ばせる、しつけインストラクターならではのさまざまなアイデアをご紹介。犬と子ども、双方にもたらされるメリットについても解説します(編集部)
もちろん、しっかりと注意点を押さえれば、の話です。
犬たちが大好きな引っ張りっこ遊びを思い浮かべてみてください。
彼らはなぜ、引っ張りっこが好きなのか?
彼らは、逃げるものを追いかける、さらにそれに噛みつくのが楽しいのです。
彼らは、噛むとキューキュー音がするものが好きなのです。
噛みつくとキャーキャー騒いで動く子どもたち。
そうなのです、時として子どもたちは、犬にとっての格好の噛みつきおもちゃになってしまうのです。
そうならないように注意すべきは、遊びにおける子どもたちと大人たちの、役割分担です。
おもちゃには紐をつけて
紐をつけることで犬には遠巻きにおもちゃを追いかけさせることができ、子どもたちへの噛みつきが防げます。
ものを投げることができる年齢であれば、長めの紐をつけ、取ってこいで遊ばせます。
このときの子どもたちの役割は、おもちゃを投げる係とおもちゃを手繰り寄せる(犬に噛まれない位置までの)係です。おもちゃを離させる係は、大人が行うことです。
紐つきのおもちゃを右に左に上手に動かせる年齢ならば、おもちゃに1.5〜2mぐらいの紐をつけ、それを犬に追いかけさせる遊び(追いかけ遊び)も可能です。
犬がおもちゃをくわえたら都度おもちゃを離させるわけですが、この場合もおもちゃを離させる係は、大人が行うようにします。
宝探しも安全な遊びのひとつ
簡単なのは食べ物を探させる遊びです。
遊びとして成立させるには、穴の空いたガチャガチャのカプセルを使います。
カプセルにフードを入れるところを犬に見せ、匂いを嗅がせます。
犬が子どもについていかないように飼い主はリードを持ち、子どもにフード入りカプセルを(最初は犬から見えるところに)隠させます。隠し終えたら子どもにリードを持たせ、犬にカプセルを探させます。
犬がカプセルを見つけたら、大人がカプセルを開けてあげ、フードを子どもに渡します。
おもちゃを隠し探させる係は子ども、カプセルからフードを出すのは大人、そのフードをあげるのは子ども。
役割をそう分ける。それが犬たちに子どもが噛まれない注意点となります。
芸も役立つ
「しつけのトレーニングと芸を教えることは別物」。
その話はまた機会を改めて行うとして、ここではひと通りのしつけのトレーニングができている前提で話を進めます。
ごほうびのフードを用いてさまざまな芸を飼い主が犬に教える。その芸の合図を子どもたちに伝える。犬は子どもたちの望みに応えるとごほうびがもらえる。
子どもたちは自分の指示で動く犬を、それまで以上に心を通わせられる存在と感じるようになるでしょう。犬は期待に満ちた目で子どもたちに視線を向けるようになります。
キラキラした目で飼い主をよく見る犬と接していると、幸せホルモンと称されるオキシトシンが、飼い主にも犬にも増える。この事実に基づけば、犬にも子どもにも、幸せな時間がそこに生まれているはずです。
以上、かけ足で子どもと犬との遊びに関してお話ししてきました。
子どもたちと犬たちのいい関係づくりに、ぜひともお役立ていただければと思う次第です。
写真/Can ! Do ! Pet Dog School提供
https://cando4115.com/index.html
西川文二氏 プロフィール
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