犬が好き
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鳥猟犬を保護する団体がひとつでも増えれば ある保護団体代表の願い
人と上手に接することができるよう、犬たちをトレーニング
お話を伺ったCACI代表の金子理絵さんによると、シェルターの鳥猟犬たちにとっては、一日のすべてがトレーニングになるのだそう。
まず、朝の散歩前にシェルター内で排泄をすませるよう、犬を1頭ずつトイレシーツを敷いた囲いの中に入れ、オシッコが出るまで待ちます。
その後、犬たちの健康状態に合わせた散歩を個別に行います。
取材当日は、ドッグトレーナーの栗山典子さんが、イングリッシュ・セターのオーカーくんを、シェルターの近くにある広大な公園に連れて行き、フセ、マテといった基本トレーニングを行っていました。
「セターやポインターなどの犬種は、生まれながらの『猟欲』をもっているので、散歩時には、常に人より先へ行こうとしたり、鳥や小動物を見るとピタッと止まって動かなくなったりするんです。
トレーニングにおいていちばん大切なのは、犬が人とうまくコミュニケーションを取れるかどうか。
それには日々の積み重ねしかないんですね」
と栗山さんは解説します。
活動を維持するためにクラウドファンディングを実施
「1頭あたりにかかる医療費は平均で20万円前後になります。
CACIの運営は寄付や関連グッズの販売で賄ってきました。
でも、それでは到底足りず、昨年末ついに懇意にしている獣医師への借金が600万円以上になってしまったんです。
そこで、クラウドファンディングを行うことにしました」
クラウドファンディングとは、特定の目的のために、不特定多数の人々からインターネットで資金提供を募る方法です。
ネットで「ハンターに使い捨てにされた鳥猟犬を助ける活動」への資金提供を求めるうえで、ハンターの方々と対立する関係になってはならない、と金子さんは、地元の狩猟団体へのあいさつも行いました。
鳥猟犬を保護する団体を増やしたい!
本当にうれしかったのと同時に、今まで以上の責任も感じます」
と話す金子さん。
今後は、鳥猟犬の飼い主さんがすぐにわかるよう、マイクロチップ装着の義務化を推し進めていきたいなど、目標はたくさんあります。
「CACIのあとに続いて、鳥猟犬に特化した保護団体がひとつでも増えてくれたらと願っています。
それまでは、まだまだ私ががんばらないと!」と金子さんは語ってくれました。
次回は、CACIから保護犬を迎え入れたご家族のエピソードについてご紹介します。
※各情報は2020年8月4日現在の情報です。
出典/「いぬのきもち」2020年10月号『犬のために何ができるのだろうか』
取材・文/袴 もな 撮影/筒井聖子
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