犬が好き
UP DATE
不安で仕方がなかったとき、動物病院の先生に言われて嬉しかった言葉|連載「こぐま犬てんすけ」vol.100
夜中に駆け込んだ病院で

てんすけは子犬の頃、しょっちゅうお腹を壊していました。
お腹に虫がいたこともあり、病院にも良くお世話になっていました。
ある日のこと、お腹を壊している上に、夜中に吐いた事がありました。
下痢だけなら子犬の頃は多いので、すぐ治ればそんなに心配することもないのですが、
吐くのがセットになっていたので心配になり、病院に連れて行こう!となりました。
でもその時すでに夜22時を回り、普通の病院は開いていません。
検索して調べるととても遠い場所ではありましたが、一晩中開いているところが見つかったので電話してみると、連れてきてくださいと言われました。
夜の高速を車で走り、診察してもらいに行きました。
まだ3キロ半ぐらいしかなかった小さいてんすけ。膝の上のかばんのなかで小さく丸くなっていました。
お腹痛いのかな…しんどいのかな…とハラハラしながら着いた時、明るい病院の入り口にちょっとホッとしたのを覚えています。
血液検査をして、結果待ちをしている間、待合室で抱っこしてる時小さいてんすけが私の腕の中でちょっと震えていました。
お腹が痛くて震えていたのか怖くて震えていたのかわかりませんが、まだ華奢な体をさすりながら、これからちゃんと育つんだろうか、こんなに小さいときに重大な病気だったらどうしようと考える私。
とても不安でした。
そして結果が出て診察室に呼ばれたら、笑顔の優しい先生が大丈夫と言ってくれて、心から安心しました。
子犬期はまだ胃腸が不安定だからちょっとしたことでお腹をこわしたり吐くそうで、検査の結果も大丈夫だったからと点滴をしてもらいました。
診察台の上で不安そうなてんすけをくまなく触って体をチェックしてくれた時、先生が不思議そうに「ところでこの子の犬種は何?」と聞きました。
「わからないんです、トイプードルとなにかのミックスらしいんですけど、保護犬なので」と言ったら、ふーんと面白そうに見ながらわしゃわしゃしてくれました。
「なんだろうね~トイプードル入ってるわりにはアンダーコートがあるし…毛も巻いてないし。」と言いながらあちこちチェックします。
そして「ま、何でもいいよね。こんなに可愛いんだし。お大事ね」と笑顔で言ってくれて、すごく嬉しい気持ちになりました。
私たちと出会うまで、なかなか引き取り先が見つからなかったてんすけ。小さいときは毛もボサボサで目も炎症でしょぼしょぼでした。それなのに可愛いって言ってもらえて、安心したのもあってちょっと泣きそうでした笑
緊急で行った病院だったのでそれからは行ってないのですが、とても良い先生に出会えて安心して帰ることが出来ました。
大人になった今でもお腹は強くないですが、あの時ほど慌てなくなった私。
でもあのときのことは時々思い出します。
おかげですっかり大きくなってもうシニアになりそうな今のてんすけを見て、また可愛いって言ってくれるかな。
小さいときの懐かしい思い出です。
毛がボサボサだった子犬期

この頃は良く病院に行ってたね。

登場人物紹介

作者のブログとSNS
UP DATE