犬と暮らす
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犬が排泄後に地面を蹴る理由とは? 獣医師に聞いた
犬が排泄後に後ろ足で地面を蹴るのはなぜ?
いぬのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「犬が排泄後に、排泄した場所の周辺を勢いよく蹴る行動は、マーキングのひとつと考えられています。勢いよく蹴り上げることで、排泄物のニオイと一緒に、地面に擦り付けた肉球の間の分泌物などのニオイを拡散させ、自分の縄張りを主張しているのです」
――愛犬がこの行動をする場合、散歩コースは一定のほうがいいのでしょうか?それともさまざまなコースを通ったほうがいいのでしょうか?
獣医師:
「地面を蹴り上げる行動は、縄張りを主張したい本能的な気持ちがきっかけではあるものの、排泄のたびに繰り返していることで、排泄後の習慣やクセとなって毎回している場合もあります。
散歩コースを変更することで、縄張り意識を強くしすぎないということはできるかもしれませんが、そのしぐさをやめるのは難しいかもしれません」
地面を蹴る犬には特徴がある?
獣医師:
「とくにこの行動をしやすいのは、縄張り意識の高い犬といえるでしょう。メス犬よりもオス犬、また、去勢している犬よりも未去勢の犬のほうが、縄張り意識が強いといわれています」
――犬種による違いはありますか?
獣医師:
「犬種の違いよりも、気質(性格)による違いが大きいでしょう。
自己主張の強い性格や、興奮しやすい性格の場合、このようなしぐさをしやすい傾向にあるように感じます」
この行動はやめさせたほうがいいの?
獣医師:
「地面を蹴るしぐさはマーキングの一種であり、犬の本能によるものです。飼い主さんが困っていない場合や、周りに迷惑がかかっていない場合であれば、無理にやめさせる必要はないでしょう。
しかし、土などを周辺に飛ばしてしまうなど、迷惑がかかる場合は、できるだけやめさせたほうがいいかもしれません。排泄物をすばやく処理し、その場から離れましょう。排泄物の処理に時間がかかりそうな場合は、「マテ」や「オスワリ」の指示を出し、蹴り上げ行動ができないようにします」
――コンクリートの上で蹴り上げているのをみると、ケガをしないか心配なのですが、ケガをするおそれはありませんか?
獣医師:
「ケガをしない程度に力加減をしているので、あまり心配はいりません。
ただし、興奮状態で勢いよく長時間蹴り上げていたり、散歩をあまりしないなど生活習慣によって足裏の角質がやわらかく傷つきやすい状態になっていたり、爪が伸びていて引っかけてしまうなどのアクシデントが起こったりした場合は、ケガにつながる可能性もあります。
気になるようであれば、散歩から帰宅した際に、足裏や爪のチェックをしてあげると安心です」
取材・文/hare
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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