以前より愛犬のあま噛みグセがひどくなったと感じたことはありませんか?
じつはそれ、飼い主さんの何気ない言動が原因かもしれません。
ここでは「愛犬のあま噛みグセを助長するNG対応」を日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター戸田美由紀先生に聞きました。
さっそくチェックして、問題行動の解決に役立ててください。
【NG対応1】噛まれたとき「痛い! 痛い!」などと大騒ぎする
→飼い主さんの声に触発されて、もっと噛むように
噛まれたときに飼い主さんが大げさに騒ぐと、愛犬は「反応が楽しい!」「かまってくれた!」などと感じ、もっと噛むようになってしまいます。騒ぐだけでなく、手で払ったりすることも噛みグセをあおりがちです。
【GOOD対応】静かに手を引いて、それ以上噛まれないようにする
手を噛まれたのなら、グッと我慢してその手をそっと引いて隠し、それ以上噛まれないようにして。しつこく噛もうとする場合は無言で立ち上がり、犬から離れましょう。
【NG対応2】手を噛ませて遊んでいる
→素手でなくても手を噛ませれば噛みグセが悪化
たとえば手におもちゃをはめてそれを噛ませて遊んでいると、愛犬にとって「手=噛んでいいもの」になってしまいます。そのため、おもちゃをつけていないときでも、手を狙って噛んでくるように。
【GOOD対応】大きいおもちゃで引っ張りっこをする
手が噛まれにくい大きめのものや、長さのあるおもちゃで遊ぶと◎。おもちゃの端を持って引っ張りっこをすれば、手を噛ませずにすみます。
【NG対応3】犬の頭上からなでようとする
→「じゃれたい!」「やめて!」と感じて、噛んでしまう
愛犬をなでようとして頭上から手を出すと、ひらひらと動く手を反射的に追いたくなったり、手が迫りくるようで怖かったりして、思わず噛んでしまう犬も。繰り返せば、手を噛むことが習慣になってしまいます。
【GOOD対応】興奮させにくく嫌がりにくい胸元をなでる
愛犬をなでるのなら、胸元がおすすめ。愛犬に圧迫感を与えないよう低い位置から手を出し、興奮させないようゆっくりやさしくなでましょう。
【NG対応4】家具を噛んでいるとき、おやつを与えて止める
→家具を噛めばおやつがもらえると勘違い
家具や壁など噛まれたくないものを噛んでいるとき、愛犬の気をそらせようとおやつを与えると、「家具を噛めばおやつがもらえる」と誤って学習。噛みグセを助長してしまいます。
【GOOD対応】噛まれて困るものは片づけ、噛んでいいものは事前に与える
噛まれて困るものは事前に片づけるか、バリケードのために柵を置いて。噛んでいいおもちゃや犬用ガムをあらかじめ出しておき、それを噛ませます。このとき積極的にほめて。愛犬は「これを噛むといいんだ」と覚え、家具などの噛みグセ改善につながります。
【NG対応5】袖口や裾が広がった服、飾りがついた服をよく着る
→愛犬の好奇心をあおり、噛みグセを助長
目の前でユラユラ動く服を見て「じゃれたい!」「楽しそう!」と思い、噛んでしまう犬は少なくありません。スリッパを履いて愛犬の前をパタパタと歩くのも、噛みたい気持ちをあおりがち。
いかがでしたか? もし、思い当たる行動があったら、まずは対応を変えてみましょう。愛犬の噛みグセが劇的に改善するかもしれませんよ。
参考/「いぬのきもち」2021年9月号『愛犬の問題行動がマシマシになる 飼い主さんのNG対応』(監修:DOG IN TOTAL主宰 戸田美由紀先生)
写真/尾﨑たまき
文/sato