今回は、夏バテの症状や対策、夏バテを引き起こしてしまうNG行動などについて、いぬのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に聞きました。愛犬が夏バテにならないよう、日頃から愛犬の様子をよく観察してみましょう。
こんな症状は要注意!夏バテのときにみられる症状
軽度の夏バテのときにみられる症状
人が夏バテになったときの症状と同じように、食欲があまりなくなる、じっと動かなくなったり元気がなくなったりする、反応や動きが鈍い、睡眠時間がいつもより長いなどの症状がみられます。
ただし、症状が徐々に進行していくため、気づくのが遅くなり重症化するケースもあるようです。愛犬の様子に少しでも変わったところがないか、日頃から注意しましょう。
夏バテが重症化したときにみられる症状
軽度のときに気づけず夏バテが進行すると、ぐったりして動かない、食欲不振がずっと続く、体重が低下する、下痢や軟便・嘔吐をする、身体がふらつく・痙攣している、発熱するなど症状が悪化してしまうことも。
これらの症状がでているときは、夏バテで体力を奪われ重篤化している、もしくは熱中症になっているおそれがありますので、早めに動物病院を受診してください。
夏バテしてしまったときの対策
先に述べたように、犬は夏バテすると食欲が落ちてしまい、フードを食べないことで、呼吸などで失った水分を補えなくなってしまいます。水分不足で体調不良にならないように、食事を工夫してあげましょう。
ドライフードに煮汁や水をかける
肉や野菜を茹でた煮汁や、水をドライフードにかけることで、フードがやわらかくなり食べやすくなるだけでなく、好きな味付けでおいしく食べながら水分補給することができます。冷蔵庫で冷やしてから与えてあげると、クールダウンにもなるので、おすすめです。
ウェットフードに切り替える
ドライフードから水分含有量の多いウェットフードに切り替えるのもおすすめです。水分摂取量をカバーするだけでなく、ドライフードより風味が強いため、食欲アップにつながります。
気をつけて!より夏バテを招いてしまうNG行動!
愛犬のためを思ってやっている行動が、実は逆に夏バテを招いてしまうこともあります。熱中症や肥満などを引き起こすおそれもあるため、以下の行動は避けるようにしましょう。
室内を冷やしすぎる
部屋を冷やしすぎてしまうと、室外と室内の温度差に自律神経の働きが乱され、体温調節がうまくいかなくなることで、夏バテを起こすおそれがあります。
エアコンは、犬の適温といわれている26度前後に設定してあげましょう。また、湿度が高いと夏バテを引き起こす原因となるため、必要に応じて除湿器も活用するようにしましょう。
フード代わりにおやつを多量に与える
フードを食べないからといって、おやつを多量に与えるのはNGです。おやつでお腹がいっぱいになってフードを余計に食べなくなるだけでなく、栄養バランスが崩れたり、カロリーオーバーによる肥満を招いたりして、夏バテや病気を誘発してしまうこともあります。おやつは適量を守り、フードをしっかりと食べさせましょう。
運動をさせない
脱水症状や熱中症になるからと、夏は散歩や運動を控えるという方も多いようですが、これは逆効果です。運動量が減るとお腹が空きにくく、余計に食欲が落ちて夏バテが悪化してしまいます。
散歩は気温の低い朝晩の時間にし、運動量が足りない分は、室内運動で補いましょう。
愛犬の様子や普段の接し方を見直してみてくださいね。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/いぬのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】犬が夏バテする原因は?食事・飲み水の対策や注意点も』
文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。