四方を囲まれたクレートは、犬の本能を考えた寝床といえます。そしてこのクレートは、単なる寝床としてだけでなく、じつはさまざまな場面で使える優秀なアイテム。今回は、クレートを使うと便利な場面について、ドッグトレーナーの中村太先生に教えていただきました。
落ち着いて休める、安心で安全な寝床、ハウスとして
周囲を囲まれたクレートが寝床なら、誰かに邪魔されにくく、ゆっくり休めます。また地震の際、中に入っていれば落下物から身を守りやすくなる利点も。
災害時の同行避難のマストアイテムとして
災害時、クレートがあれば同じ避難所に同行避難できる可能性が。そもそも避難所では、基本的に犬はクレート待機が必至。クレートに慣れていれば安心です。
興奮や興奮吠えの予防として
愛犬が興奮しやすい場面では、動き回って興奮がエスカレートしないよう、あらかじめクレートに入れておくと◎。興奮からの吠えグセも防ぎやすく。
安全、快適なドライブに
犬を車内で自由にさせておくのは、人でいえばシートベルトをしていないのと同じくらい危険。愛犬はシートベルトなどで固定したクレートに入れるのが正解。
旅先でのストレス軽減と安全確保に
初めて行く旅先でも、使い慣れたクレートを寝床として用意すれば、それだけでストレス軽減に効果的。また愛犬から目を離すときも、安全に待たせられます。
コロナ禍での愛犬の受け渡しに
飼い主さんが感染した場合など、愛犬を誰かに預ける際は、クレートに入れての受け渡しが必須。預かり先でも、慣れたクレートがあれば安心させやすいです。
ほかにも
●家事の最中など、愛犬と向き合えないとき
●人の食事中に
●ケガや病気の悪化を防ぐために動き回らせたくないとき
など
愛犬をクレートに慣らしておくと、災害時や旅行だけでなく、毎日の生活で役立つシーンがたくさん。まだトレーニングできていないなら、この機会にぜひトライしてみてくださいね。
お話を伺った先生/ナカムラ・ドッグ・スクール、いぬのようちえん主宰 中村 太先生
参考「いぬのきもち」2021年4月号『クレートを制する犬は、しつけもお出かけもうまくいく!』
写真/殿村忠博
イラスト/にしぼりみほこ
文/いぬのきもち編集室