1. トップ
  2. 犬と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 健康管理・健康診断
  5. 犬の骨が弱くなると大変!「犬の骨の大切な5つの役割と注意点」を獣医師が解説

犬と暮らす

UP DATE

犬の骨が弱くなると大変!「犬の骨の大切な5つの役割と注意点」を獣医師が解説

犬の骨は、体の機能を正常に働かせるために大切な役割を果たしています。そのため、骨が弱くなってしまうと、日常生活にさまざまな支障をきたすおそれが。

そこで今回は、犬の骨がもつ5つの役割と骨が弱くなってしまったときのリスクなどについて、獣医師の枝村 一弥先生に詳しく解説していただきました。

骨の役割(1)姿勢を維持する

チワワの小鉄くん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬は長い距離を速く走るために、上下左右よりも前後の動きに対して4足歩行に適した骨格をしています。骨は適した動作や運動を行うための姿勢を形づくり支えているのです。

骨が弱くなると……姿勢を維持できず暮らしに困難が増える

生まれつき骨格形成に問題があったり、骨折したりするなどして骨格に問題があると、正しい姿勢が維持できません。起き上がりや歩行など、ふだんの生活にも影響があるでしょう。

骨の役割(2)運動をつかさどる

柴のラガーちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
骨と靭帯(じんたい)、筋肉の3つがしっかりと協働することで、運動が可能になります。ちなみに、骨と混同されがちな関節は骨同士がくっついている部分を指します。

骨が弱くなると……骨をよくする運動さえもできなくなってしまう

姿勢の維持と共通していることですが、骨格形成の問題があったり、骨折したりすると運動が困難になります。また、骨は刺激によって強くなるため、運動ができないと骨がますます弱くなるという悪循環に。

骨の役割(3)臓器の保護

ミニチュア・シュナウザーのパンくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
頭蓋骨は脳を、ろっ骨は肺や心臓を、骨盤は膀胱や子宮、前立腺など、骨は外からの衝撃に対して直接衝撃が加わらないよう、体の中の大切な臓器を守る役割もしています。

骨が弱くなると……外からの衝撃で内臓が傷つきやすくなる

本来守ってくれるはずの骨が極端に弱いと、交通事故などの重大事故だけではなく、犬同士の衝突といった小さなアクシデントにおいても内臓を損傷するリスクが高まります。

骨の役割(4)血液をつくる

サモエドのサムくん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
体の中でもっとも血液をつくっているのが、骨の中心部分にある骨髄。生命を維持するために欠かせない血液細胞(白血球、赤血球、血小板)の種を有する大切な組織です。

骨が弱くなると……貧血や血液のがんを引き起こすことも

血液の生産が暴走すると白血病に、逆に血液が十分につくられないと貧血になります。ほかにも、白血球が担う免疫機能への影響や、出血が止まらないなどの問題が生じることも。

骨の役割(5)カルシウムを貯蔵する

秋田の姫奈ちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
体内における最大のカルシウムの貯蔵庫は骨です。骨は骨自体の吸収と形成という新陳代謝を死ぬまで繰り返しており、カルシウムは骨形成のためにも必須です。

骨が弱くなると……体のさまざまな機能が乱れ、てんかんの原因にも

カルシウムは骨をつくる以外にも、筋肉の収縮や血液の凝固、神経の正常な働きなどに使われており、骨が弱くなるとそれらにも影響が及びます。また、てんかんの原因になることも。
なお、犬の骨は運動不足や栄養不足・過多などによって弱くなることがわかっています。愛犬の健康のためにも、毎日の散歩や栄養バランスの取れた食事といった、骨によい生活習慣を心がけるようにしましょう。
お話を伺った先生/枝村 一弥先生(博士(獣医師) 日本大学生物資源学部獣医学科獣医外科学研究室教授 日本大学動物病院院長 )
参考/「いぬのきもち」2025年10月号『最後まで元気に歩ける強さを手に入れよう! 愛犬の骨のためにできること』
文/長谷部サチ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
CATEGORY   犬と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

人気テーマ

あわせて読みたい!
「犬と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る