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犬は「死」を恐れない!? 罪悪感も覚えない!? 犬の知能はどれくらいなのか

私たちが愛してやまない犬。その知能レベルは成犬になっても、じつは人の2才児と同等といわれています。その背景を知ると、犬のさまざまな行動とその理由が理解しやすくなります。人の2才児といわれるゆえんと犬の生態を、ドッグトレーナーの西川文二先生に教えていただきました。

犬は二語文までなら理解できる

●だから三語文以上になるとわかりません

犬は教えれば、二単語を組み合わせた言葉を理解できるようになります。人も2才程度になると二語文を操るようになるため、カナダの心理学者スタンレー・コレン氏は「犬は2才児ぐらいの知能をもつ」と説いています。
「オモチャ、トッテ」など二語文なら教えれば伝わります。多数の単語を並べて話しても犬には通じず、「何か言っているな」としか思いません
「オモチャ、トッテ」など二語文なら教えれば伝わります。多数の単語を並べて話しても犬には通じず、「何か言っているな」としか思いません

犬は今、目の前で起きていることだけがわかる

●だから未来を考えず、過去も振り返りません

 犬は〝今〞がすべて。過去について記憶はあっても振り返って考えません。それは「手続き記憶(※)」という記憶方法で物事を記憶しているから。人の2才児も同様です。過去を振り返らない(振り返れない)ので相反する〝未来〞という概念もわかりません。

※同じような経験の繰り返しによって獲得される記憶。記憶はされるものの、その情報がいつ、どこで獲得されたものかは記憶されません。
犬は〝今〞を懸命に生きる動物。過去を反省することはしません。また「週末に散歩しよう」など未来のことを言うのも、犬には無意味です
犬は〝今〞を懸命に生きる動物。過去を反省することはしません。また「週末に散歩しよう」など未来のことを言うのも、犬には無意味です

犬は物事の基準や価値がわからず自己中心に考える

●だから時間の概念、お金の価値もわかりません

解剖学者の養老孟司氏によると、犬は自分を客観視したり物事を対等に比較して考えたりしません。自分中心に考えます。だから相対的に考えないと理解できない時間や数字の概念、金銭や物品の価値もわからないのです。2才以下の人も同じ。何事も自分中心です。
どんなに高価なものでも、犬にそれは理解できません。イタズラされたくないものは、犬の届かない場所に片づけるのが鉄則です
どんなに高価なものでも、犬にそれは理解できません。イタズラされたくないものは、犬の届かない場所に片づけるのが鉄則です

犬は相手の立場に立って物事を考えない

●だから恥ずかしさや罪悪感はいだかず、相手を思いやることもしません

「相手にこう思われるかも」と想像できるようになるのは、人の場合3才ぐらいになってから。犬は脳回路がそこまで発達せず、2才児と同様に「恥ずかしい」「相手に悪い」という感情がありません。また、相手のこと“だけ”を思いやって何かすることもないのです。
犬は相手のことだけ考えて何かしてあげようとは思わないです。その場にいない相手のことを妄想して嫉妬することもありません
犬は相手のことだけ考えて何かしてあげようとは思わないです。その場にいない相手のことを妄想して嫉妬することもありません

犬は命に限りがあるとわからない

●だから“死”を恐れません

犬は、物事を相対的にとらえることができず、言語ももたない動物なので、無限・有限の考え方がわからず、命の限界もわかりません。対して人は3才ぐらいになると「命」を理解しはじめ、同時に〝限界=死〞もわかるようになってくるといわれています。

いかがでしたか? 犬の生態を正しく理解できれば、愛犬の能力や本当の気持ちを誤解せずにくみ取れるようになるので、お世話にも役立ちますね。

お話を伺った先生/「Can ! Do ! Pet Dog School」代表 西川文二先生
参考/「いぬのきもち」2019年11月号『犬は永遠の2才児なんです!』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室
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