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この犬の生理現象大丈夫? 「毛が抜ける」「涙が出る」要注意なのは?

生き物の体に起こるさまざまな生理現象はもちろん犬にもありますが、なかには病気を疑ったほうがいいケースも。今回は「毛が抜ける」「肛門嚢に分泌液がたまる」「涙が出る」といった生理現象について、獣医師の野矢雅彦先生が解説します。

毛が抜ける

ポメラニアンのポン太ちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
犬の毛には下毛と上毛があり、犬種によって双方あるダブルコート、上毛のみのシングルコートに分かれます。ふだんから毛は抜け替わっているものの、ダブルコートの犬種は春と秋の換毛期に、後の季節に合わせてすごしやすいように、毛が大きく生え替わるのです。

こんなときは注意が必要!

・かゆみを伴う

かゆみがある場合は皮膚炎があり、脱毛と皮膚の赤みやぶつぶつなどが見られます。原因は感染性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、疥癬(かいせん)など。また、かゆみはなくても甲状腺機能低下症などの内分泌障害でも脱毛が見られます。

・広範囲に地肌が見える

換毛による抜け毛であれば、抜けるのと同時に新しい毛も生えてくるため、極端に薄毛になっていくようなことはありません。広範囲で地肌が見えていくような抜け毛が見られたら、がんや内臓障害のおそれも。早めに皮膚科専門医の診断を受けてください。

このケースは心配無用! 毛が逆立つ

毛が逆立つのは、立毛筋が収縮して毛が立ちあがるから。興奮や恐怖、寒さなどで起こり、人の鳥肌とも似た現象です。逆毛自体に病気が潜むことはありませんが、原因が恐怖や寒さであれば、それを取り除いてあげましょう。

肛門嚢に分泌液がたまる

トイ・プードルのハービーちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
肛門腺とは、肛門の左右にある一対の袋で、独特のニオイをした分泌液が入っています。ニオイは個体ごとに異なり、犬同士のあいさつや縄張りでは個体識別に使われます。通常であれば、ウンチをするときに肛門腺が圧迫され、分泌液も自然に排出されます。

こんなときは注意が必要!

・頻繫にお尻をなめる/床にこすりつける

頻繁にお尻を床にこすりつけるなど、お尻を気にする行動やしぐさが増えていると感じたら、肛門嚢炎(こうもんのうえん)を疑いましょう。放置すると破裂してかなりの痛みを生じるため、早めの対処を。

涙が出る

笑顔の塁ちゃん
いぬのきもち投稿写真ギャラリー
涙は目の表面を保護するため常に分泌されており、目にゴミが入る、傷がつくなど目の表面に痛みや刺激が加わると、分泌量を増やして刺激物を外に出そうとします。

こんなときは注意が必要!

・涙の量が多い/目をしょぼしょぼさせる

突然涙がたくさん出始める、ふだんに比べて出る量が圧倒的に多く、さらに目をしょぼしょぼさせているときは、異物混入などによる角膜炎や緑内障、全身性ウイルス感染症のおそれも。緑内障や角膜潰瘍(かくまくかいよう)など早期に失明につながる病気もあるため、早めの受診が大切です。

・目ヤニが多い

涙と同じく目を保護するために分泌されるのが目ヤニ。目に外から刺激が加わるとその刺激物を排除するために分泌され、刺激物の種類によって色や量が変わります。ちょっとした刺激は白か黒で、細菌が刺激しているときは黄色や緑色に。寝起きに白い目ヤニがたくさん出ているときはドライアイの場合もあります。
犬の生理現象はもちろん問題ないことも多いものの、なかには病気のサインであることも。今回ご紹介した内容も参考に、日ごろから犬の様子を観察する習慣をつけ、愛犬に異変があった場合はすぐ気づけるようにしておきたいですね。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年11月号『おなら げっぷ いびき……もしかしてキケンかも 病気が潜む生理現象』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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