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犬がなりやすい「目の病気」 特に注意が必要な犬種とは?
見つめ合ったり目配せしたり、目は愛犬とコミュニケーションを図るうえで大切なパーツ。そんな愛犬の目の健康を守るために、犬がなりやすい目の病気を解説します。動物の眼科に特化した専門病院院長の小林一郎先生に聞きました。
犬だって見えないのは不安。目の健康維持には、ふだんのチェック&ケアが不可欠です
ときに「犬は鼻が利くから目が見えなくても大丈夫」といわれることがあります。でもじつは、犬も見えなくなるのはとても不安なもの。日々愛犬の目の状態を確認しケアすることは、病気の早期発見につながり、大切な視覚を守ることに役立ちます。将来愛犬を不安にさせないためにも、ぜひ今から取り組みましょう。
犬がなりやすい目の病気をチェック!
犬の目の病気は、じつはなりやすい犬種がある程度決まっています。愛犬がなりやすい病気を知っておけば、より注意して目を確認するようになるので、早期発見にも役立ちます。
【白内障】
●トイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、柴、パグなど多くの犬種で発症しやすい
目の中の水晶体が白く濁る病気。濁りが水晶体全体に広がると視覚に影響します。遺伝性で起きる場合が大半で、多くの犬が2、3才までに発症します。ただ初期段階では濁りが小さく、見た目だけでは気づきにくいです。
目の中の水晶体が白く濁る病気。濁りが水晶体全体に広がると視覚に影響します。遺伝性で起きる場合が大半で、多くの犬が2、3才までに発症します。ただ初期段階では濁りが小さく、見た目だけでは気づきにくいです。
【緑内障】
●シー・ズー、ビーグル、柴、ボーダー・コリー、シベリアン・ハスキーなどに多い
眼圧が高まることで視神経と網膜に障害が起き、失明するおそれがある病気。病気が進行すると痛みを伴うので、目をしょぼしょぼさせたり、元気がなくなったりすることも。ほかの病気が原因で発症することもあります。
眼圧が高まることで視神経と網膜に障害が起き、失明するおそれがある病気。病気が進行すると痛みを伴うので、目をしょぼしょぼさせたり、元気がなくなったりすることも。ほかの病気が原因で発症することもあります。
【進行性網膜萎縮】
●トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド、ポメラニアン、パピヨンなどに多い
網膜の機能が徐々に落ちる遺伝性の病気で、最終的に失明します。両目ともに発症するのが特徴で、発症初期には暗い場所で見えにくくなる夜盲の症状があらわれます。子犬期に発症するケースも。
網膜の機能が徐々に落ちる遺伝性の病気で、最終的に失明します。両目ともに発症するのが特徴で、発症初期には暗い場所で見えにくくなる夜盲の症状があらわれます。子犬期に発症するケースも。
【乾性角結膜炎(ドライアイ)】
●ヨークシャー・テリア、シー・ズー、パグ、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルなどに多い
涙が減少することで目の表面が乾き、角膜や結膜に炎症を起こします。犬の場合、免疫機能の異常で涙が出にくくなり発症するケースが多いです。ネバネバした目ヤニが大量に出たり、目全体が濁って見えたりすることも。
涙が減少することで目の表面が乾き、角膜や結膜に炎症を起こします。犬の場合、免疫機能の異常で涙が出にくくなり発症するケースが多いです。ネバネバした目ヤニが大量に出たり、目全体が濁って見えたりすることも。
ちなみに、結膜炎、角膜炎、涙やけは病気の一症状です
目の病気の症状としてあらわれやすいのが、目とまぶたをつなぐ結膜の炎症や、目の表面にある角膜の炎症です。目の下の毛が変色する涙やけは、涙が鼻側に抜けずにあふれる病気、もしくは涙が出すぎてしまう病気が原因。病気を治さないと涙やけも治りません。
犬がなりやすい目の病気を知っておくことは、早期発見につながります。適切なケアができるように、愛犬がなりやすい目の病気がないか、健康なうちから確認しておきましょう。
お話を伺った先生/「どうぶつ眼科EyeVet」院長、獣医師 小林一郎先生
参考/「いぬのきもち」2025年5月号『おうちアイチェック&ケア』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室
参考/「いぬのきもち」2025年5月号『おうちアイチェック&ケア』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室
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