ストレスが愛犬の健康に悪影響を及ぼすことは知っていても、「これってストレス?」と迷うことがありますよね。『いぬのきもち』読者がいだいている犬のストレスに関するギモンや不安について、獣医師でドッグトレーナーの藤本聖香先生に教えていただきました。今回は「しつけ編」です。
Q.おねだりを無視されるとストレス?
A.要求グセがある犬にとってはストレス。でもそのまま要求をのむのは×
ふだんから「かまって」「おやつちょうだい」と要求する犬は、無視されればストレスです。要求を通してストレスを解消しようと、さらにおねだりしてくるでしょう。だからといって要求をのめば、一生クセは直らず、少しでも思いどおりにならなければストレスを感じる犬に。要求グセを直したくて無視をするなら、徹底的に。
Q.ほめ方が単調、もしくはいつも同じおやつがごほうびだとストレス?
A.直接ストレスにはならないが、混乱したりモチベーションが下がるかも
単調なほめ方が直接ストレスになることはないですが、いつも同じだとほめていることが伝わりにくいことも。愛犬は「これで合っているの?」と不安になったり混乱したりして、結果ストレスにつながることがあるでしょう。ごほうびが同じだと、やる気がうせてしつけの練習にストレスをいだく可能性も。ほめるときは笑顔で明るく、おやつもときには替えてみて。
Q.苦手な音を聞かせつつ慣れさせるしつけ、じつはストレス?
A.逃げたり吠えたりする音量ならストレスに
サイレンや雷の音など、愛犬が苦手な生活音を聞かせたとき、逃げたり吠えたり興奮するなら、音量が大きすぎてストレスを感じている証拠。一瞬気にするけれど、すぐに気にしなくなるレベルの音量で聞かせて練習を。慣れたら徐々に音量を上げていくことで、苦手な音を克服していきます。
いかがでしたか? 人と暮らすうえで少なからずストレスを感じてしまうのは仕方がないかもしれませんが、そのストレスをできるだけ減らせるよう、飼い主さんが配慮してあげたいですね。
お話を伺った先生/英国APDT 認定ペットドッグトレーナー。獣医師 藤本聖香先生
参考/「いぬのきもち」2023年10月号『犬ストレスのギモン一問一答』
イラスト/小栗麗加
文/いぬのきもち編集室