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「すぐに病院へ行くべき」犬の緊急症状 見た目でわかる症状とは

命の危険が迫っている、もしくは様子見すると症状が確実に悪化してその後の暮らしに支障が出るといった犬の病状を、獣医師の藤本 仁先生に聞きました。今回は、そのなかでも「待ったなし」の外見と目の様子の救急症状をご紹介します。
Ksenia Raykova/gettyimages
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待ったなしの外見

■お腹が急に膨れる
短時間のうちにおなかが張ったり、ふくれてきたと感じた場合、腫瘍などが原因で、腹腔内で大量出血している危険が。死に至ることが多い胃拡張胃捻転症候群を発症している可能性もあり、動物病院にて緊急処置が必要です。
イラスト/太田麻衣子
イラスト/太田麻衣子
■皮膚や歯ぐき、白目が黄色くなっている
皮膚や歯ぐき、白目のほか、オシッコの色や耳の粘膜などが黄色く見えるときは、いわゆる黄疸の危険が。肝臓病や胆嚢炎などが原因として考えられますが、体内の毒素の代謝を担う肝臓に関する症状だけに、救急処置が必須に。

■口内や歯ぐき、舌が青紫色になっている
口内や歯ぐき、舌など、ふだん赤みがかっている粘膜が、黒っぽい赤や青紫色に見えるようなときは、血液中の酸素量が不足しているサイン。心臓や肺、気管などの疾患が原因の場合が多く、早急に適切な治療を受けないと危険です。
イラスト/太田麻衣子
イラスト/太田麻衣子

ちなみに1、2カ月間で体重が15%以上減っていたら、重篤な病気の可能性が

食欲も運動量も変わらないのに、1、2カ月で体重が15%以上減った場合は、救急までいかずとも注意が必要な症状です。糖尿病や腎臓病、肝臓病などの病気の可能性があるため、できるだけ早めに受診を。やせた、太ったという外見のチェックとあわせ、体重も定期的に確認するようにしましょう。

待ったなしの目の様子

■眼をしょぼしょぼさせて、ほとんど開けない
目をしょぼしょぼさせて、ほとんど開けないような場合は、角膜潰瘍やぶどう膜炎、緑内障などで目に痛みを感じているような状態です。命の危険はないですが、早急に処置をしないと症状が進行して失明する可能性も高いです。
イラスト/太田麻衣子
イラスト/太田麻衣子
■目の大きさが急に変わり、左右で差がつく
緑内障は眼圧が上がることで視神経や網膜に障害が発生する病気。片目だけ発症した場合は、その目だけ眼圧が高まって大きく見えることが。緑内障を起こしている目だけ瞳孔が広がって見えることもあります。

■目が上下や左右にビクンビクンと動き続ける
眼球が規則的に小刻みに振れる症状を眼振といい、腫瘍など脳の重大な疾患が原因の場合が。命に別状はない前庭疾患という病気で眼振があらわれることもありますが、原因の病気を特定するのは飼い主さんには難しいです。そのため、至急動物病院へ。
イラスト/太田麻衣子
イラスト/太田麻衣子

目の異常は別の症状も招きやすいので、待ったなしで受診を

目の異常は、命に別状はないかもしれませんが、犬自身が目をひっかくなどして新たな症状を招く可能性が高いです。すぐに処置しないと失明に至る病気も少なくないため、目の異常に気づいたらすぐ受診を。
外見と目の様子の救急症状をご紹介しました。実際にこのような事態が起きたときは、まず動物病院に電話し、症状を伝えて指示を仰いでから向かうようにしましょう。
お話を伺った先生/王子ペットクリニック院長。獣医師。藤本 仁先生
参考/「いぬのきもち」2022年7月号『今すぐ受診すべき救急症状』
イラスト/太田麻衣子
文/いぬのきもち編集室
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