犬と暮らす
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生まれつきてんかん発作のある犬との暮らし。その経緯を飼い主さんに聞いた
今回ご紹介するのは、生まれつき重度のてんかん発作があるスタンダード・プードルのマーリちゃん。病気とつきあいながらの暮らしについて、飼い主さんに伺いました。
先代の愛犬が紡いでくれたマーリとの縁。病気があったからこそ迎えたかった
マーリちゃんは、「保護犬」として2023年3月にYさん家に迎えられました。ブリーダーのもとで生まれたマーリちゃんは、生まれつきてんかんがあり、Yさんの知り合いの保護活動家の方が預かっていました。そして、その方が生後2カ月のマーリちゃんの写真をYさんに送ってくれたのです。
「わが家では、先代の愛犬たちも保護犬出身でした。私はスタンダード・プードルが大好きで、以前に迎えたコが血管肉腫で亡くなったことがあり、またいつか迎えられたら……と思っていたんです。送られてきたマーリのかわいらしい写真に心が奪われましたが、先天的にてんかんがある子犬と聞いて、最初はとても迷いました」と話すYさん。マーリちゃんの写真が送られてきた2週間前には、トイ・プードルの愛犬アルトくんが12才で旅立ち、悲しみに暮れていたときでした。また、マーリちゃんが生まれた1月29日は、偶然にもYさんのお母様と同じ誕生日だったそうです。
生後8カ月を超えるまで壮絶な介護の日々が続く
先生からは「生後2カ月の子犬で激しいてんかん発作を起こすのは稀な例」とのこと。抗てんかん薬を処方してもらい、発作がひどいときには1日入院して点滴治療なども行いました。
それでも、マーリちゃんのてんかん発作はひどいときで10日に1度の頻度で起き、小さな体で激しいてんかん発作に苦しむ姿を見て、Yさんも苦しい気持ちでいっぱいでした。
「発作がひどいときは連続で3〜4日間続くことがあり、こうした群発発作は脳に深刻なダメージを与え、命を落とすこともあるんです。そのため24時間態勢で見守る必要がありました。発作はとくに深夜起きるので、夜はマーリの横で服を着たまま添い寝して、すぐに救急病院に行けるようにしました」
次回は、さらに胃腸障害を発症し、続く看病の日々をレポートします。
写真/犬丸美絵
写真提供/Yさん
取材協力/池田動物病院
取材・文/袴 もな
※掲載の情報は「いぬのきもち」2024年7月号発売時のものです。
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