犬の鼻血やよだれに血が混じる場合の注意点　気を付けたい分泌物のサイン

鼻水やヨダレなど、愛犬の体から出てくる分泌物の中には、病気が原因で異変があらわれることがあります。今回は獣医師の近藤仁先生に、鼻・口から出る危険な分泌物について教えていただきました。もしもに備えて知識を深めておきましょう。

そもそも分泌物って？

体内で蓄えられ、必要なときに外に出される物質のことを「分泌物」といい、内分泌物と外分泌物の2種類があります。内分泌物は生殖腺や甲状腺などから分泌されて血液中を通っていくため、遠く離れた細胞に作用することも可能。男性ホルモンや女性ホルモンなどが該当します。

これに対して、体内にある外分泌腺から、導管を通じて体内外へ排出されるのが外分泌物です。本来は体の機能を正常化するもので、身近なものでは汗・涙・唾液・皮脂などが挙げられます。体内に異変が生じると色や量などに変化が見られることがあるため、病気に気づくヒントになります。

気をつけたい「鼻」の分泌物

鼻からの分泌物 — イラスト／ハニュウミキ　「いぬのきもち」2025年1月号『病気のサインが隠れています！気をつけたい犬の分泌物リスト』

犬の鼻の中は常にサラサラとした鼻水で湿った状態なので、多少の鼻水であれば正常範囲内。ただし、次のような分泌物が見られたら注意しましょう。

鼻血

鼻水に血が混じる場合、感染状態の悪化や重度の歯周病が原因のほか、腫瘍の可能性も考えられます。特に鼻が長い犬種で鼻血が続く場合は、犬歯の歯周病や腫瘍の可能性があります。

鼻腔内腫瘍は鼻の内部の鼻腔や副鼻腔にできる腫瘍で、悪性腫瘍（がん）であることが多く、初期症状で鼻水に異変が見られることがあります。なるべく早く、腫瘍専門の動物病院で検査を受けましょう。