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愛犬の命を守れるのは飼い主さんだけ 「犬の熱中症」の怖さとは

犬の熱中症の原因の多くは、飼い主さんの見落としによるもので、毎年多くの愛犬が命を落としています。

今回は、愛犬を熱中症から守るために心がけるべきことを、獣医師の野矢雅彦先生に教えていただきました。

熱中症の怖さを知ろう

床でくつろぐ犬
Photo by Getty Images
高温多湿などの条件が重なると、犬は数分〜数十分で熱中症を発症します。重篤症状になるとほぼ死に至るうえ、仮に助かったとしても、脳障害や失明などの後遺症が残るケースもあります。

人は汗をかくことで体温を調節できますが、犬はハアハアと浅く速い呼吸をすることでしか、体内の熱を逃すことができません。全身が被毛におおわれていることもあり、人が思っているよりずっと暑さに弱いのです。長毛種、短頭種、大型犬に加えて、肥満傾向の犬や運動不足の犬などはとくに注意が必要です。

こんな症状に要注意

熱中症の初期症状は、呼吸が浅くなる、歩くのが遅くなるなど。症状が進んでくると、体が熱くなり、大量のヨダレを垂らすように。さらに重篤になると、おう吐や吐血をし、意識がなくなることもあります。

家の中でも油断は禁物

見上げる犬
Photo by Getty Images
日当たりがいい部屋や窓際は、室内であっても高温になりやすい場所です。換気が少ないと風通しも悪くなり、熱中症の危険度が高まる傾向が。神経質な犬の場合、窓の外を車などが通り過ぎるたびに吠えて、熱中症のリスクをさらに高めてしまいます。

また、湿度が高くなりやすい浴室も、熱中症のリスクが高まる場所。実際、シャンプー後に被毛が乾くまで20分ほど浴室で待たせていたところ、熱中症を引き起こした事例があります。換気扇をつけ忘れたことが原因で、浴室に熱気と湿気がこもってしまったのでしょう。

このほか、室外機が設置されているタイプのベランダも要注意。排出された熱気がベランダの柵にぶつかって滞留するため、人より体高が低い犬がはさみうちになって熱中症になる場合があります。

朝8時以降の散歩は避けて

元気に走る犬
Photo by Getty Images
近年は、午前中でも日が登り始めると気温が一気に上昇。地域差はあるものの、朝8時頃には熱中症危険度の高い状況になります。

犬は体高が低く地面からの輻射(ふくしゃ)熱を受けやすいので、アスファルトの上などはとくに危険。朝8時前であっても、猛暑日は排せつを家で済ませておき、散歩の時間は最小限にとどめるようにしましょう。

また、熱帯夜も年々増加傾向です。日中の熱を吸収したマンホールを愛犬が踏んでしまい、肉球やけどするケースもあります。夜8時ごろの散歩で熱中症になった事例もあるので、夜の散歩も十分に気をつけましょう。
「ちょっとぐらい大丈夫」「犬だから平気でしょ」といった思い込みは絶対にNG。熱中症は飼い主さんが気を付けていれば100%防げるので、しっかりと対策をしましょう。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「いぬのきもち」2022年8月号『真夏の2大特集① 獣医師からの緊急メッセージ 熱中症から愛犬を守るための10のお願い』
文/柏田ゆき
※記事と写真に関連性がない場合もあります。
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