雑誌「いぬのきもち」でアンケート(※)を取った結果、約半数の犬の飼い主さんが「健診で病気が見つかった経験がある」と回答しました。
そこで今回は、実際に健診で愛犬の病気が見つかった飼い主さんの体験談をご紹介。あわせて獣医師の上條圭司先生に、聴診・視診・触診で見るポイントや診断できることを教えていただきました。
※いぬのきもちアプリユーザー294名が回答(2025年8月実施)
聴診で「僧帽弁閉鎖不全症」が見つかりました
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「健診で僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)が見つかりました。遊んだり吠えたりすると少し息切れはしていましたが、まさか心臓病だったとは。診断が悲しく私のせいなのではと自分を責めましたが、初期段階で発見できたことは幸いでした。興奮させないよう生活を改めながら、経過観察中です」(H・Mさん/愛犬:チワワ、メス、10才)
聴診とは?
聴診器で心臓や肺、腸の音を聞いて異常をチェックするのが聴診です。心臓の正常音に雑音が混じるかどうかを判断したり、心拍数を評価したりします。
シニア期の小型犬は、心雑音から僧帽弁閉鎖不全症が見つかることも少なくありません。また、気道や肺の状態を呼吸音から推察したり、腸のぜんどう音から動きが正常かを判断したりします。
視診で「歯肉炎」が見つかりました
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「4才の健診で、歯周病の初期(歯肉炎)と指摘されました。歯みがきをしても生臭いニオイが少し残るなとは思っていたのですが、歯周病と言われてショックでした。歯石除去手術をし、それ以降はサロンで歯みがきと歯みがき指導を週1回、動物病院で口腔内チェックを月1回それぞれで受けて、歯周病の予防を心がけています」(S.Sさん/愛犬:トイ・プードル、メス、6才)
視診とは?
視診とは、獣医師が目で見て異常を発見する検査のこと。目のうるおいや白目の状態、鼻の湿り具合、歯肉の状態や歯石の付着程度、耳の中の汚れや赤みなど、顔まわりからチェックしていきます。フケや脱毛、皮膚の赤みなども見るほか、診察室を歩かせて歩き方に異常がないかなども確認します。
触診で「膝蓋骨脱臼」が見つかりました
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「生後3カ月で受けた初めての健診で、左後ろ足がグレード1の膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)と診断されました。初めて聞く病名に戸惑いましたが、進行させずに生活することも十分可能だと獣医師に言われ、段差のない部屋づくりや太らせない食事管理などを実践しています。幸い悪化はせず、元気に成長しています」( T.Uさん/愛犬:柴、メス、生後11カ月)
触診とは?
獣医師が手で触り、リンパ節の腫れや乳腺のしこりがないかなど、異変が起こりやすいポイントを踏まえながら確認します。体の脂肪のつき具合を確かめたり、おなかを触って痛みの有無をチェックしたりするほか、関節の異常なども調べます。
元気そうだからと安心していると、気づいたときには病気が進行しているかもしれません。若いうちから定期的に健診を受け、愛犬の体に起きている小さな変化を見逃さないようにしましょう。
お話を伺った先生/上條圭司先生(ゼファー動物病院 グループ代表 獣医師 一般社団法人Team HOPE代表理事)
参考/「いぬのきもち」2025年11月号『やっぱり大切!健康診断でまさかの病気が見つかりました!』
文/柏田ゆき
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