愛犬が地面に転がって、土に体をすりつけることはありませんか? こうした犬の何気ない行動にも、さまざまな気持ちが隠されています。今回は獣医師の増田宏司先生に、犬によく見られるしぐさを人の行動に置き換えて、楽しく解説していただきました!
散歩後に部屋中を走り回る
愛犬が散歩のあとに部屋中を走り回るのは、興奮を発散したい気持ちの表れ。楽しかった散歩の余韻をまだ感じていたくて、体が自然に動き出すのです。人でたとえるなら、ライブ後の興奮が抜けないまま打ち上げに行き、楽しかったライブの感想を語りながら余韻に浸るような行動といえます。
土に体をすりつける
土からはなんともかぐわしい、犬にはたまらないニオイがするようです。そんな土に体をすりつけるのは、目の前の魅力的な状況に気分が高揚し、かぐわしいニオイを全身で味わいたいという気持ちによることが。人でいえば、ちょっといいホテルに泊まったときに、フカフカのベッドを見て思わずダイブしてしまうような行動なのでしょう。
失敗したあとなどに体をかく
犬にも人にも、誰かにミスを指摘されるなどで困ったり、考えあぐねたりしたときに自然と体をかく行為が見られます。人であればごまかすときにも行いますが、犬の場合はカーミングシグナルのひとつであり、自分の気持ちを落ち着けるために行います。
犬同士で遠くから吠え合う
犬同士にも相性があるため、苦手な相手には近づきたくありません。そんなときは相手に吠えて「近づかないで」と主張しますが、向こうも負けじと吠え返すことがあります。とはいえ、できればケンカはしたくないというのが本音。さながら、いがみ合っている者同士が一定の距離を保ちながら、牽制し合っているような状況でしょう。
犬のしぐさを人の行動になぞらえることで、共感しやすくなりますね。愛犬の気持ちを読み解くヒントにしてくださいね。
※この特集では内容をわかりやすくするために、擬人化した表現を用いています。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 博士(獣医学) 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2023年5月号『飼い主さんへの行動はまるで“推し活”!? あのフシギ行動の理由も! 犬のしぐさを人に置き換えたらよ~くわかった!』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。