思わず「狙ってやっているよね!?」と言いたくなるような、“あざとい”ながらもかわいい犬のしぐさ。今回は、飼い主さんたちに聞いた(※)、犬がよく見せる“あざとかわいい”しぐさを3つ取り上げ、獣医師の増田宏司先生に解説していただきました。
※いぬのきもちモニターアンケート(回答者数113名)による集計。複数回答(2024年2月実施)。
1. 見つめる/上目づかい
何かを期待しているときや相手の様子をうかがうときに、犬は対象を見つめます。そのときの黒目がちな瞳や、幼い子どものような上目づかいに、私たちは心くすぐられるのでしょう。
どうして上目づかいをする犬が多いの?
犬が上目づかいをするのは、飼い主さんから離れた場所でも、自分の意志をアピールできるから。
たとえば「前足チョンチョン」は飼い主さんの目の前でないとできませんが、視線を送ることは、離れていても体を動かさなくてもできます。だからこそ「目でものを言う」犬が多いのです。視線でのコミュニケーションは信頼関係がないと通じないため、いい関係が築けている証といえるでしょう。
2. おなか見せ
犬が寝転がっておなかを見せる本来の意味は、相手への尊敬です。力を抜いてゴロンとする姿に心がゆるみ、声をかけずにはいられなくなります。
3. 首をかしげる
もともと犬は、物音をよく聞こうとして首をかしげることがあります。人とは異なるファニーなポーズや表情に反応する飼い主さんが多いため、犬も定番のしぐさとして繰り返すようになったのかもしれませんね。
犬は「かわいい」と自覚していていない!?
ちなみに、“あざとい”しぐさをしているとき、犬は自分を「かわいい」とは思っていないと考えられます。そうではなく「こうすれば要求が通る」「こう行動すればイイコトが起きる」と経験から学んでいて、人から見ると「かわいい!」と思えるしぐさを繰り返すのです。
飼い主さんたちが翻弄される、“あざとい”ながらもかわいい犬のしぐさの数々。飼い主さんの喜ぶ姿を見逃さず、しっかりインプットしているのですね。
お話を伺った先生/増田宏司先生(獣医師 博士(獣医学) 東京農業大学農学部動物科学科(動物行動学研究室)教授)
参考/「いぬのきもち」2024年7月号『わかっていても思わずかまっちゃう……♡ あざとかわいいしぐさランキング』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。