好奇心旺盛なうえに体力たっぷりで、見るものすべてが新鮮な子犬期は、いろいろなものに興奮しがち。今回はおねだりで興奮するときにとくに効果的な「無視」を上手に取り入れて、興奮をストップするワザをドッグトレーナーの荒井隆嘉先生に教えていただきました。
「無視」ワザを活用しよう!
子犬のうちから、吠えたり飛びついたりしておねだりする愛犬に応じていると、興奮すれば要求が通ると学習して興奮グセがついてしまいます。かわいい子犬ですが、おねだりの興奮には心を鬼にして無視しましょう。
フードを与えるときに興奮するなら「無視をして落ち着いてから与える」
フードを与える前に興奮するのは、「早く食べさせて!」という飼い主さんへの欲求。そのまま与えると興奮グセになるので、興奮している間は無視をして落ち着いてから与えて。
撮影/尾﨑たまき
飼い主さんが出かける前に興奮するなら「出かける前は“つまらない飼い主”を演じる」
愛犬は、かまったり遊んだりしてくれる飼い主さんに出かけないでほしくて興奮しています。目も合わせず、かまってくれない飼い主さんを演じれば、愛犬の興奮も減っていくはず。
撮影/尾﨑たまき
おすそわけをおねだりして興奮するなら「飼い主さんの食事中には無視を」
毅然としておねだりには応じないで、無視を。愛犬がひざに前足をかけても手を使わずそっと立ち上がってどかせるなど、「見ない」「触らない」「声をかけない」を徹底しましょう。
撮影/尾﨑たまき
少し出かけただけで帰宅時に興奮するなら「無視をして落ち着いてから声をかける」
少し出かけて帰ってきただけで飛びついたり走り回ったりするのは、やめさせたい興奮。しばらく愛犬にかまわず無視をして、アピールしてもかまってもらえないことを覚えさせて。
「無視」で止めるのが難しいケースも
偶然でも要求に答えてしまうと逆効果に
たとえば愛犬が興奮しているとき、飼い主さんがたまたま愛犬のそばに近寄ったとします。すると愛犬は「興奮したら近くに来てくれた!」と勘違いし、より興奮してしまうことが。偶然にでも愛犬の要求に応えないよう、注意して。
撮影/尾﨑たまき
興奮グセが改善する前に一時的にひどくなることも
それまで愛犬の興奮グセに応じていた場合、無視をすると「どうして急にかまってくれなくなったの!」とばかりに愛犬の興奮がひどくなることが。「無視をしたけど逆効果」と思わずに、この時期を乗り越える根気強さが必要です。
撮影/尾﨑たまき
愛犬を無視するのは、飼い主さんにとってはつらいかもしれません。ですが、興奮グセは愛犬の体への負担になったり、ほかの人や犬への迷惑になることもあるので、ストップできるようトライしていきましょう。
お話を伺った先生/しつけ教室DOGLY代表。。日本動物病院協会認定家庭犬インストラクター 荒井隆嘉先生
参考/「いぬのきもち」2024年5月号『子犬の興奮を止める秘伝しつけ5』
写真/尾﨑たまき
文/いぬのきもち編集室
※登場するモデル犬には、興奮する犬を演じてもらっています。