年をとるにつれて、どうしても投薬の機会が増えていきます。そのたびに愛犬と格闘して飲ませていたのでは、飼い主さんも愛犬も疲れてしまいますよね。今回は若いうちからできる投薬の練習方法について、家庭犬しつけインストラクターの鬼澤穣次先生に教えていただきました。
投薬しつけをするメリットは?
若いうちから投薬に慣れさせておくと、次のようなときに役立ちます。
- 複数の薬やサプリを飲ませなくてはならないとき
- 薬をゴハンに混ぜても飲んでくれないとき
- ゴハンに混ぜてはいけない薬を処方されたとき
- ゴハンがない状況で薬を飲ませなければいけないとき
それでは、具体的な練習方法を見ていきましょう。
下あごを下げて口の中におやつを置く
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
口の中に直接おやつを置いて飲ませることを教えておくと、薬に置き換えても、確実に薬だけを飲ませることができるようになります。上あごは指で支えるように持ち、おやつを持った手の指で愛犬の下あごを下げます。口の奥におやつを置いたら、口を閉じて顔を少し上に向けて喉元をさすり、飲み込むよう促しましょう。
おやつを投薬方法で与える
愛犬が大好きなおやつやフードを、日頃から投薬の方法で与えましょう。こうすることで投薬方法そのものに慣れ、いざおやつではなく薬を与えても、抵抗なく飲めるようになります。その後も継続して投薬方法でおやつを与えていれば、「また薬を飲まされるかも」とは疑いません。
犬歯の後ろ側の隙間からおやつを入れる
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
口は閉じたままでいいので、犬歯の後ろにある小さな歯の隙間からおやつを1粒口に入れます。吐き出さないよう口を軽く握り、喉元をさすって飲み込ませて。口を閉じたまま薬を飲ませる練習になります。
“わんこそば”式に次々食べさせる
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
小さく切ったおやつを20粒ほど握り、もう片方の手のひらに1粒おやつを置きます。愛犬がそれを食べたらすぐにもう1粒を手に置き、食べたらまた1粒置くことを握ったおやつがなくなるまで繰り返しましょう。慣れると手に出されたものをサッと食べるようになり、おやつを薬に換えても飲んでくれます。
点眼薬はおでこ側から
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
目薬の場合は、愛犬の頭頂部〜おでこ側から構えて垂らせば、視界に入りにくいので嫌がられにくくなります。薬を持っていない方の手で顎を支えるか、首輪をつかんで頭が動かないようにしながら点眼するとスムーズです。
おやつ感覚で薬を飲めるようになれば、犬も飼い主さんもストレスがありません。愛犬と楽しみながらできる方法なので、ぜひ取り組んでみてくださいね。
お話を伺った先生/鬼澤穣次先生(BASE Dog Training School代表 アニマルファンスィアーズクラブ(AFC) 公認家庭犬しつけインストラクター 優良家庭犬普及協会 グッドシチズンテスト・メインジャッジ)
参考・写真/「いぬのきもち」2025年10月号『今から教えておけば、のちのち助かる!楽になる!あとから効くしつけ』
文/柏田ゆき
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。