犬の便秘はただのウンチトラブルではありません。生活習慣の乱れから重大な病気のサインまで、意外な原因が隠れていることも。今回は「どれくらい出ないと便秘?」「便秘で受診が必要なのは?」など気になるポイントについて獣医師の野矢雅彦先生に伺いました。
2~3日でなければ異変を疑って
下痢と違い、便秘は気づきにくく見逃されがち。だからこそ、排便の回数や量、ふんばり方など日々の変化を注意深く観察することがポイントです。
個体差はありますが、 犬は本来、1日1〜3回排便するのが普通です
犬の排便回数は個体差が大きいですが、一般的に1日1〜3回が目安。いつもどおりのゴハンを食べているのに2日以上出ない場合は便秘が進行している可能性があります。また、便秘と排便困難は異なり、便秘は「便が出ない状態が続くこと」、排便困難は「ふんばっているのにうまく出せない状態」を指します。
排便困難が続くと便秘に進行することもあるため、ふだんと違う兆候が見られないか、回数だけでなく排便時の様子もよく観察してください。
気をつけるべきは 回数・量・出し方の様子
愛犬の様子をチェックしてみましょう
・2日以上ウンチが出ていない
・何度もふんばる
・かたくて大きな便が出る
・ふんばるときに震える/痛がるそぶり
・少量ずつしか出ず、残便感がある
・排便後も落ち着かず、ソワソワしている
・肛門が赤い/便に血がつく
「便秘ぎみ?」迷ったら “念のため”の受診を
これらの症状が当てはまる場合は便秘か排便困難の可能性があります。とくにシニア犬や持病がある犬は放置すると重症化することも。まずは電話などでもよいので、かかりつけ医に気になる症状を相談してみましょう。
犬の便秘Q&A
意外と知らない犬の便秘のこと。犬種による違いや早急な受診が必要なサインまで、飼い主さんの疑問に答えます。
Q.便秘でただちに受診が必要なのはどんなとき?
A. ふんばっても出ず、 苦しそうなときは即病院へ
便秘症状に加えて元気がない、嘔吐する、強くふんばっても出ないなどの様子が見られたら自己判断せずに早急に受診を。動物病院ではエックス線やエコーで腸内や骨盤の状態を確認し、症状に応じて浣腸や摘便、緩下剤などの処置を行います。
Q. 旅行先で便秘になるのはどうして?
A.心地よくウンチができる環境じゃないのかも
旅先はいつものニオイや静けさがなく、“自分のテリトリー” ではありません。犬は落ち着かない場所では排泄を控えることがあり、安心してウンチができる環境じゃないと感じるだけで排便を我慢してしまうこともあります。
Q. 便秘になりやすい犬種はある?
A.犬種による差は ほとんどないと考えて
便秘は犬種そのものの体質差よりも年齢や病気の有無、生活習慣の影響が大きいと考えられます。ただし、未去勢のオス犬やダックスフンドやビーグルなどは会陰ヘルニアや消化器疾患といった病気になりやすく、便秘につながるケースはあります。
Q. 便秘予防にサプリメントは有効?
A.与えてOK 。ただし万能では ないので選び方に注意
食物繊維系や乳酸菌など、腸内環境のサポートに役立つサプリはありますが、体質に合わないものを選ぶと、かえって便がかたくなり便秘を悪化させる可能性も。説明書をよく確認し、必要に応じて獣医師へ相談を。
7才を過ぎたら年に2回のドッグドックで健康管理を
7才以降は年に2回対面で健康を相談する機会をもちましょう。さらに10才以降は季節ごとの健康チェックを習慣にすることで、腸だけでなく体全体の異変を早期に見つけやすくなります。費用的な負担が大きい場合はかかりつけ医と相談して検査項目を分けるのもひとつです。
いかがでしたか?気になる点は獣医師に相談し、愛犬との様子を見守っていきましょう。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(「ノヤ動物病院」院長)
参考/「いぬのきもち」2026年3月号『知らないと見落とす!便秘の落とし穴』
文/いぬのきもちWeb編集室
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性がない場合もあります。