人にあわせて生活する犬は、飼い主さんが思っている以上にストレスを感じているといわれています。そのため、飼い主さんは愛犬がストレスを感じないように最大限の努力をし、ストレスサインにいち早く気づいてあげることが大切です。ここでは、犬のストレスサインとストレスの5大原因を解説します。
犬のストレスサイン① レベル【軽】
ストレスレベルがまだ軽い段階では、なんとか自分でストレスをやわらげようと、下記のような行動を起こすことがあります。
軽度のストレスサイン
- あくびをする
- 耳が寝る
- 目をそらす
- 体をかく
- 舌なめずりをする
- 床のニオイをかぐ
- しっぽが下がる
犬のストレスサイン② レベル【中】
下記のしぐさは、ストレスレベルがやや高いときに見られます。問題行動につながることが多いので、かかりつけの獣医師に相談し、行動診療科のある動物病院を紹介してもらうとよいでしょう。
中度のストレスサイン
犬のストレスサイン③ レベル【重】
下記のような行動が見られる場合は、健康を大きく損なうおそれがあるレベルでストレスを感じています。場合によっては重度の病気が隠れていることもあるので、なるべく早く動物病院で相談してください。
重度のストレスサイン
- 軽~中のストレスサインを繰り返す
- 出血するほどしっぽを噛んだり、追い回したりする
- 皮膚炎を起こすほど体を執拗になめ続ける
- 激しい脱毛
- 下痢、血尿、おう吐などの不調
犬のストレスの5大原因とは?
犬のストレスには、必ず原因があります。最後に、犬のストレスの5大原因をご紹介します。
① 空腹・のどの渇き
長時間の留守番などで、食べ物も水も不足するなどの状態に犬は生命の危機を感じ、精神的にも肉体的にも大きなストレスとなります。
② 擬人化
人にとって望ましいことが、犬にとっても同じとは限りません。人の社会で暮らすためにしつけは必要ですが、ニオイかぎを一切させないなどの“犬らしい行動”の制限や、言葉だけでしつけるなど、人としての振る舞いを要求するのは犬の苦痛となります。
③ 肉体的な苦痛
しつけが上手くいかないからと体罰を与えるのは絶対にNGです。“飼い主さん=痛いことをする怖い人”と覚えて、飼い主さんの存在が犬のストレスになることも。
④ 不安やプレッシャー
体罰でなくても、家族間のケンカなどの不穏な空気や、苦手なしつけの練習を延々とさせられることなども、犬にとっては精神的な不安やプレッシャーとなります。
⑤ 不快な環境
“寝床とトイレが近すぎるハウス”といった不衛生な飼育環境などは、大きなストレスの原因になります。また、暑い・寒い・床がすべるといった環境も、犬にとっては非常に苦痛です。
愛犬と健やかに暮らすためには、飼い主さんが注意すべき点がいくつもあります。ストレスの原因やサインを知って、愛犬のストレスフリーな生活づくりに役立ててみてくださいね!
参考/「いぬのきもち」2016年10月号『すこやかな「犬生」を送るために知っておきたい 年代別・犬種別ストレス解決法』(監修:代官山動物病院 獣医師 獣医行動診療科認定医 ペット行動カウンセラー 藤井仁美先生、「Can!Do!Pet Dog School」代表 西川文二先生)
文/hasebe
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。