飼い主さんにとって、犬がチャイムに吠えることは悩ましいことのひとつ。ただ、ひとくちに「チャイムに吠える」といっても、吠える回数や時間によっては我慢できることもあれば、今すぐ直さないと近所からクレームが来てしまうというケースもあります。
レベルに応じて、上手に対処していきましょう。
深刻度【低】… チャイムが鳴ったあと数回吠える場合は?
チャイムが鳴ったあと愛犬が2、3回吠えるだけで、飼い主さんも我慢できて、近所迷惑にもならないのであれば、それほど困った行動とはいえません。むしろ、愛犬が吠えたあと、「はい。ありがとうね」など静かに声をかけて対応し、「数回吠える→飼い主さんが対応→吠えやむ」ことで、それ以上興奮しない習慣づけを。
逆に犬が吠えることに対して「うるさい!」などと叱っていると犬はよけいに興奮し、より吠える恐れがあります。
深刻度【中】 … チャイムが鳴ったあと数分間吠え続ける場合は?
チャイムが鳴ったあと愛犬が数回ではおさまらずしばらく鳴き続ける場合はかなり興奮している証拠。吠え続けてさらに興奮してしまう前に、チャイムが鳴ったらすぐに「ハウス」と指示し、クレートに入れましょう。
ふだんハウスできる犬が、チャイムに吠え続けて指示に従わない場合は、犬を抱いてクレートに入れましょう。クレートは、犬にとって「落ち着ける自分だけのスペース」です。ふだんから、おやつで誘導するなどして愛犬が自らクレートに入り、その中でリラックスしていられよう「クレートトレーニング」をしておくことも大切です。
深刻度【高】!… チャイムが鳴ってから来客が帰るまで吠え続ける場合は?
チャイムが鳴ると来客が帰るまで激しく吠える犬は、「吠え続けていると相手が去っていく」ため、「吠えると相手を追い払えた」と思い、「吠え続けること」が習慣化しています。放っておくと、来客に危険が及んだり、吠える声が近所迷惑になることも。
このような場合、下記するような来客の合図となるチャイムを鳴らさない工夫をすることが必要です。「吠えたら、追い払えた」という体験をこれ以上させないことで、習慣を絶ちましょう。
1. チャイムを鳴らさない工夫を
「犬が吠えるのでチャイムを鳴らさないでください」といったメモとともに携帯番号を伝え、チャイムを鳴らさずに対応できるように工夫しましょう。
2. チャイムの音を変える
犬を吠えさせる原因となるチャイムの音を違う音にするだけで犬が反応しなくなることもあります。また、同じ音でも、音量を下げるだけで犬が吠えなくなることもあります。
3. 宅配ボックスを利用する
宅配便でチャイムが鳴ることが多いならば、チャイムを鳴らさずに宅配ボックスに置いておいてもらうようお願いしてみるのも手です。担当ドライバーの方などに頼んでみましょう。
いかがでしたか? 吠えの程度によっては、現状維持でよしとするのも愛犬とのつきあい方のひとつです。
また、あまりにも吠え続けて手のほどこしようがない場合は、一度専門家に相談してみましょう。
参考/「いぬのきもち」2018年5月号『愛犬の5大困りごとレベルはどのくらい?』(監修:家庭犬しつけインストラクター 戸田美由紀先生)
文/犬神マツコ