犬は普段、飼い主さんのペースに合わせた生活を送っています。そのため、日々何らかのストレスを受けやすく、体や心の病気を招いてしまうこともあります。今回は、現代を生きる犬がストレスによってなりがちな病気と、そのときに見られる症状やしぐさなどを解説します。
強い不安に襲われる不安症
不安症は、「トラウマになるほど鮮明に印象に残る強いストレス」が原因でなりやすい病気です。強いストレスとは、例えば留守番中に起きた何か怖いことだったり、地震が続く環境に居たりといったことが挙げられます。
強烈な恐怖体験や緊張状態が続いたことで、トラウマになっている過去のストレス体験。それと条件が一致したようなことが起こったときに、強い不安や恐怖心に襲われてしまいます。
どんなしぐさや症状があるの?
強い心理的不安に駆られたことで過剰に怖がって吠えたり、噛んだり、恐怖や不安でパニックになって物を壊したりしてしまいます。ほかにも、今まで平気だったことを怖がるようになったり、食欲がなくなったりすることも。いつもはしないそそうをしたら、不安症を疑ってみてもいいでしょう。
バリア機能が低下して皮膚炎に
毎日の長い留守番や引越しなど、じわじわ続くストレスがきっかけで皮膚炎になることがあります。もともと皮膚には、水分を保持したり、バイ菌から守るバリア機能がありますが、ストレスでこのバリア機能が低下すると、皮膚のトラブルを招いてしまうのです。
また、蒸し暑さで免疫が低下し、皮膚の菌が増えて炎症をおこすなど、不快な気温がストレスになったケースもあります。
どんなしぐさや症状があるの?
バリア機能が崩れたことで乾燥してかゆくなり、しきりに体をかきます。ほかには、過剰に体を舐めたり、フケが増えたり、皮膚が赤くなったりします。
ひたすら食べ続ける肥満症
遊びや散歩が足りない、ふれあい不足や運動不足など、 弱いストレスでも毎日蓄積されると強大になります。そうしたことがきっかけで食欲が増し、肥満症になることがあります。
ほかにも、飼い主さんに子供が生まれ、相手をしてもらえなくなってから、ひたすら食べ続けるようになり内臓を悪くしたというケースも。生活において楽しみが少ないなど、食べることしか楽しみがない犬がなりがちな病気です。
どんなしぐさや症状があるの?
異常なほど食欲が増し、与えれば「一日中でも食べ続けるのでは?」と思うほど、食べたがります。飼い主さんの顔を見るたびに食べ物を欲しがり、いくら与えても満足しません。そのため太っていることが多いです。
ストレスでどんな病気になるのか、どんなしぐさや症状が出るのかを知ることで、病気や犬の異変に早く気付いてあげることができるかもしれません。犬のストレスを少しでも減らして、体も心も健康でいられるようにサポートすると同時に、少しでも異変を感じたら、動物病院で獣医師に相談することをおすすめします。
参考/「いぬのきもち」『ベテラン飼い主さんも意外と知らない 愛犬のストレス事典』(監修:ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生)
文/ishikawa_A
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。