愛犬の病気には早く気がついて、きちんと治療してあげたい――そんな飼い主さんの気持ちとは裏腹に、なかなか病気に気づいてあげられないケースも少なくありません。そこで今回は、飼い主さんが犬の病気に気づきにくくなってしまう理由と、病気に早く気づいてあげるためにできることを年代別にご紹介します。
どうして犬の病気に気づきにくくなってしまうの?
飼い主さんが愛犬の病気に気づきにくくなってしまうのには、以下のような理由が挙げられます。
本能的に症状を隠す動物だから
そもそも犬は、病気やケガの症状を表に出さないよう、本能的に隠す傾向があるといわれています。これは、自分が弱っていることを敵に知られて襲われないようにする、野生で暮らしていた頃の名残だそうです。
症状が現れにくい病気もあるから
肝臓や膵臓(すいぞう)など、痛みや症状が現れにくい臓器の病気は、詳しい検査を行わないと発見が難しくなってしまうことがあります。また、内臓の病気の場合は、患部が表面に現れるわけではないので、飼い主さんがなかなか気づいてあげられないケースも珍しくありません。
症状を勘違いしてしまうこともあるから
たとえ愛犬に病気の症状が見られたとしても、「年をとっただけ」「体質的なもの」「食欲はあるし問題ない」などと、飼い主さんが勘違いしてしまうことも。このような飼い主さんの勘違いは、犬の病気の発見を遅らせる要因のひとつと考えられています。
《年代別》犬の病気に気づくために飼い主さんができること
では、どのようにすれば、愛犬の病気にしっかりと気づいてあげられるのでしょうか。年代別に見ていきましょう。
《子犬》毎日の記録で異変に気づく手がかりを見つける
子犬は体の成長もあわせて、とにかく変化のめまぐるしい時期です。まずはその犬の生活パターンを把握するためにも、毎日ごはんを食べているか、体重は順調に増えているか、ウンチに異常はないかなどを記録し、毎日の変化をしっかりと見守りましょう。
《成犬》特別な体験を通して気づくきっかけを作る
成長が落ち着き、大きな変化が見られないため、ささいな変化を見逃してしまいがちな時期です。そこで、ドッグスポーツや旅行などいつもと違う体験を一緒に楽しむ機会を作りましょう。そうすることで「息が上がりやすいかも」「傾斜が苦手?」など、普段と違う環境だからこそ気づける異変が見つかるかもしれません。
《シニア犬》変化を「年のせい」にしない目を持つ
犬の老化のスピードは人よりも早いため、愛犬が年をとったことに気づけない飼い主さんもいます。また、シニア犬の変化を何かと「年のせい」と思ってしまうと、病気の発見は遅れてしまうでしょう。
犬が年を重ねると、「見る」「聞く」「嗅ぐ」の能力が衰えやすいので、毎日自宅でチェックするようにしてください。
動物病院での定期的な健康診断も大切です
このような日々の飼い主さんの観察に加え、症状が出にくい病気になるべく早く気づいてあげるためにも、動物病院での健康診断はやはり重要です。若いうちから定期的に受けさせるように心がけましょう。
飼い主さんが愛犬の変化を「異変」と思うか、「気のせい」と思うかで、その運命は大きく変わります。言葉で症状を伝えられない犬だからこそ、飼い主さんが細かな異変も見逃さないよう気をつけたいですね。
参考/「いぬのきもち」2019年2月号『症状をチェックして愛犬の健康に役立てよう! 年代別 飼い主さんが気づきにくい犬の病気』(監修:東京動物医療センター副院長 南直秀先生)
文/ハセベサチコ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。