犬の歯並び、歯の本数って気にした方がいいの？【動物看護師が解説】

犬の永久歯って何本あるかご存知ですか？
口をあーっと開けてね、と言ってもじっとはしていないはずですから、一本一本を数えてみることは難しいです。見るからに歯がガタガタだったり、少ないように見えたりすると「これでいいのかしら？」と思ってしまいますよね。犬の歯並びや本数は気にした方が良いのでしょうか。

犬の歯は42本

犬の歯は、通常42本あります。短頭種であったり、チワワやヨーキー、ポメラニアンなどの体が小さく口も小さい犬種は42本生えないこともあります。

もともと少ない本数であればあまり気にすることはありませんが、生えていたのに無くなったとなると何か問題があるかもしれません。また、口が小さく生えるスペースがなくなってしまうと、互い違いに生えてガタガタになってしまうこともあります。歯並びが悪いと噛み合わせが悪くなったり、歯垢や歯石が溜まりやすくなり口内疾患の原因になったりします。

歯並びが悪いなら定期的に診察が必要

歯がガタガタで互いが重なり合うように生えているのなら、定期的にかかりつけの動物病院へ行って無麻酔で歯垢・歯石除去をするか、ある程度は仕方ないと考えて、数年に一度全身麻酔をかけた歯石除去手術を受けるのが良いでしょう。ついた歯石をそのままにしていると、口腔内から血液に乗って心臓に雑菌が渡り、心臓に負担をかける可能性があります。「ただの歯石」と考えていると全身疾患に広がる可能性があるので注意を心がけましょう。

プロに見てもらうのが1番

自宅で口の中をよく見ることはできないことが多く、歯磨きなどの手入れにも限界があります。たかが歯石とは思わずに、定期的にプロにチェックしてもらい、歯石の付き具合や歯周病の有無を診てもらうと良いでしょう。完全な予防は難しいですが、手入れすべき時期を教えてもらえるので、放っておかずに定期的な診察を受けることがおすすめです。

重なっているのは本当に永久歯？

歯並びが悪すぎて歯が二層になっているときに注意してほしいのが、乳歯が残っていないかということです。永久歯が重なっていて歯並びが悪いのかと思っていたら、実は乳歯が残っているだけだったということは結構あります。

どの歯であっても歯が重なっているのは歯石の原因になるので良くないですが、抜けるはずの乳歯が残っているのなら抜いてもらうのが良いでしょう。
乳歯が残るのは、顎の小さな小型犬が多いです。飼い主さんが乳歯か永久歯かを見分けるのは難しいので、獣医師に診てもらいましょう。

付いている歯石をどうするか・歯並びをどうするかは、診察する獣医師によっても対応が違うので、まずはかかりつけに相談してみてください。

文／動物看護士　木本由季

CATEGORY 犬と暮らす

2017/03/12 UP DATE