ある日突然、愛犬が亡くなってしまう「突然死」によって、飼い主さんがペットロスで辛い思いをすることがあります。この記事では、いぬのきもち相談室の獣医師が、犬の突然死の原因とペットロスについて解説します。
愛犬との突然のお別れ「突然死」
元気だった愛犬が、前触れもなく突然死亡してしまうことを突然死といいます。多くは原因不明で、持病が引き金になり突然発症して間もなく死亡してしまうこともあります。死因を調べるためには解剖をするしかありません。
突然死が起こりやすい病気
では、犬の突然死が起こる可能性のある病気についてみていきましょう。
①心臓病
心疾患の持病がある犬は、季節の変わり目、家の周辺環境や飼い主さんの変化などでも過敏に反応し、些細な出来事も命に関わることがあります。
②脳疾患
脳は、生命活動をつかさどる器官で、脳に異常があることに気がつかずに病状が進行していることがあります。
③脊椎疾患
脊椎からは、一つ一つ大切な神経が出ているので、小さな異常でも命に関わるほどの大きな症状が出てしまうことがあります。
④急性中毒
犬が食べてはいけないものを口にすることで、急性の中毒を起こして、体調によっては死亡することもあります。
⑤ショック死
犬は、熱中症や感電、交通事故、フィラリアなどによる寄生虫感染でもショック状態を引き起こします。犬の体調が悪かったり、免疫力が下がっていると、小さなショックでも体にはダメージが残ります。
犬の突然死とペットロス
愛犬が突然死を迎えたとき、飼い主さんは、何が起こったかを理解できず、死を現実として受け入れられないことがあります。
心の準備ができていないペットロス
心の準備もなくお別れがやってくるので、突然の大きな喪失感から、ペットロスと呼ばれる状態になることがあります。さらに、原因は自分にもあるのではないか、こうすればよかったのかもしれないなど自分を責め続け、ペットロスの感情にさらに拍車がかかってしまうのです。
心の準備ができていたペットロス
愛犬が亡くなり、もちろん悲しい時間はありますが、生前のお別れや心の整理ができている場合は、時とともに喪失感の後に充実感が湧いてきて、できることはやれた、いいお別れができたと思えるようになる方が多いです。
犬の突然死を防ぐためには、日頃から愛犬をよく観察して、健康に気をつけた生活を送ることが大切です。
しかし、どんなに気を付けていても、突然死は起こりえます。突然死は、ペットロスになりやすい傾向があります。
ペットロスはとてもつらい状態ではありますが、生前の気持ちの準備があれば、ロスの期間はあっても早く前向きになれるようです。
いずれどの愛犬にも訪れる死、生前できることを精一杯してあげた経験や気持ちの整理がとても大切といえるでしょう。
監修:いぬのきもち獣医師相談室
文/maki
※写真は「いぬのきもちアプリ」で投稿いただいたものです
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください