夏になり暑くなってくると、「愛犬が過ごしやすいように工夫してあげないと!」と考える飼い主さんは多いでしょう。
でも、あまりにも過剰な暑さ対策をしてしまうと、かえって愛犬に悪影響となってしまうことも……。
いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します!
飼い主さんがやりがちな過剰な暑さ対策3つ
よくある過剰な暑さ対策の例としては、以下の3つが挙げられるでしょう。
①クーラーの設定温度を下げすぎる
犬は汗腺が肉球にしかないので暑さに弱く、舌を出してハアハアとする「パンティング」で体温を下げています。暑さに弱いなら冷やしてあげればいいのですが、やりすぎも注意が必要です。
とくに夏のお散歩などでは、犬は人が感じるよりも地面の照り返しで暑いですよね。じつはエアコンも似ていて、冷気は下にたまるので低いところにいる犬は冷え切っているということがあるのです。
エアコンを使用する際、設定温度をそこまで下げずに空気を循環させたり、冷気があたらない場所を用意してあげることが大切です。
「飼い主さんが気をつけたいこと」の具体例は……
- 犬が寒いと感じたときに、温まれるクッションや毛布を用意してあげる
- エアコンがあたらない部屋に移動できるようにしてあげる
- 犬が休むスペースには直接冷気があたらないようにする
「いぬのきもち」(2018年7月号)の『データ・図解でわかる熱中症』特集によると、犬が快適に過ごせる環境は「室温26℃、湿度50%以下」が目安になるとのことです。ぜひ参考にしてみてください。
②氷の与えすぎ
氷など冷たいものを与えると犬も喜びますし、クールダウンできますが、やはり与えすぎはいけません。内臓が冷えすぎると下痢などを起こす可能性も。
与える場合は少しずつ、犬の様子を見てあげてください。
③体の毛を短くしすぎる
体中を覆う被毛を短くすれば涼しいのではないか、と考える人もいるかもしれません。しかし、もともと毛が短い短毛種ではないのに、それくらい短くしてしまうのはよくありません。
たとえば、エアコンをつけたときに冷気も伝わりやすくなるので、より体が冷えやすく体調不良を起こしやすくなることも。
また、皮膚に熱が直接あたって熱中症になったり、皮膚に炎症を起こすことも考えられます。被毛は、保温とともに断熱の効果もあるのです。
ちなみに、個体差はありますが、場合によっては元の長さになったときに毛質が変わってしまったり、元の長さにまで伸びてこなくなることもあるようです。
よかれと思って……の行動がじつはやりすぎな暑さ対策になっていないか、飼い主さんは今一度確認してみてくださいね!
今年の暑い夏も、愛犬と一緒に乗り切りましょう♪
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真はアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami