「吠え」や「噛み」などの困りごとは、犬が繰り返すたびに頑固なクセになるおそれがあるため、早めにやめさせることが大切です。愛犬に「やめて」と伝えるためには、冷静になるのがポイント。ここでは、やめさせたい犬の困りごと別に、飼い主さんが取るべき対処法をご紹介します。
「イタズラ」をやめさせたいときは『クールな態度』で接する
イタズラなど、愛犬にすぐにでもやめてほしいことがあるときは、クールに「違うよ」「NO」などといって制止します。少し怖い雰囲気を出すイメージで行ってみましょう。
『クールな態度』のコツは?
- 声のトーンは?:低め!
- 表情は?:厳しめの表情で
- 動作は?:迫力を出すとGOOD!
『クールな態度』はこのようなシーンで活用しよう
噛んでほしくないものを噛んだとき
テーブルや椅子の脚をカジカジ、なかなか動かせない家具にイタズラされてしまったら飼い主さんとしては一刻も早くやめさせたいですね。そのときは、低い声で「あ"!」と犬を少しだけ驚かすように声掛けし、表情にも怖さをにじませてみてください。
気をひこうとイタズラしてきたとき
かまってほしくて愛犬がイタズラしてきたら、クールな態度で「NO」と声掛けしましょう。愛犬に「してはいけないことをしてしまった」と理解してもらうことが狙いです。なかなか察知してくれないようなら、低い声で「あ"!」と言ってみてもよいでしょう。
はしゃいで部屋の中を走り回る、クッションを噛んで振り回すなどの行動にも、同じように対応してみて。
飛びついてきたとき
飼い主さんが帰宅すると、犬は嬉しくて飛びつくことがありますが、そんなときもクールに対応しましょう。石像のように固まり、静かに「NO」と伝えてください。
「興奮」をやめさせたいときは『無反応』で!
愛犬を興奮させたくないときや、声をかけると逆効果になる場面では、愛犬に対して『無反応』で対応しましょう。つい声をかけたくなるかもしれませんが、そこはグッとこらえて動じないことがポイントです。
『無反応』のコツは?
- 声のトーンは?:無言で
- 表情は?:無表情
- 動作は?:無反応を通す
『無反応』はこんなシーンで実践してみよう
おねだりで吠えるとき
かまってほしい、おやつがほしいなど、過剰に要求吠えをする場合には、無反応・無言・無表情で接します。要求に一切反応しないことで愛犬もあきらめ、違うことに意識が向くでしょう。
スリッパなどの小物を噛んで離さないとき
無理に取り返そうとせず、遠くからフードやおやつの袋の音を聞かせるなど、ほかのことに意識を向けさせましょう。
そして、愛犬の関心が噛んでいたものからそちらへ移ったすきに、噛んでいたものをサッと回収してください。声や態度で感情を出さず、関心をそらすようにしてみると効果的です。
散歩中にすれ違ったものに吠えたとき
散歩中に犬が吠えるのは、吠える対象に恐怖や警戒心を抱いているから。バイクや車、ほかの犬や人などに吠えてしまったら、すばやくその場から離れましょう。
声で叱るなどすると、犬はよけいに興奮してしまい逆効果です。愛犬が散歩中に吠えかかりそうなときは、粛々とその場を離れるようにしてください。
愛犬に「やめてほしい」を伝えるカギは「冷静さ」
このように対応して、愛犬が困りごとをやめてくれたら、やや上から目線ぎみの態度で、クールに「イイコ」とほめましょう。おやつは与えるなどしてほめすぎると、「一度吠えてからやめればほめてもらえる」などと覚えてしまうので注意してください。
飼い主さんの「やめてほしい」気持ちは、冷静になって伝えることが大切。ぜひ参考にしてみてくださいね!
参考/「いぬのきもち」2019年11月号『声・表情・動きで!演じれば愛犬にキモチがもっと伝わる 女優しつけ』(監修:日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクター 戸田美由紀先生)
文/紺道ゆあん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。