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仕事中にイライラ…犬にも伝わる!? 在宅勤務をしている飼い主が気をつけたいこと
この記事では、在宅勤務をしている犬の飼い主さんが気をつけたいことについて、いぬのきもち獣医師相談室の先生が解説します。
在宅勤務中にかまってあげないときの犬の心理
「犬の気持ちとしては、飼い主さんがそばにいるなら、まずは何としても気を引きたいと考えるでしょう。その気持ちが満たされないのであればイライラしたり、気持ちが沈んでしまったりなど、穏やかな気持ちではいられないと思います。
ただし、もともと『かまってもらえないこともある』と理解している犬の場合は、案外気持ちの切り替えが早いことも多いです。かまってもらえないとわかればあっさりその場を離れ、その後は一人遊びをしたり、寝て過ごしたりなど、愛犬なりに穏やかな気持ちで上手に過ごすことができる場合もあると思います」
在宅勤務中に飼い主さんがピリピリムード! 犬にも伝わる?
「伝わります。犬は案外、人の様子には敏感なものです。ただし、伝わった結果としての実際の反応は、個々の犬の気質によって異なるでしょう」
「たとえば、穏やかで仲間意識の強い犬であれば、飼い主さんの苛立ちを緩めようと寄り添うしぐさをするかもしれませんし、慎重で怖がりな気質の犬であれば、飼い主さんが冷静になるまではむしろそばから離れて過ごすかもしれません。
いずれにしても、飼い主さんがピリピリしていると犬が緊張感を持ってしまうような状況なので、それがストレスになってしまう可能性はあります」
「どうしてもご自身がイライラしてしまいそうなら、むしろ愛犬がそばに来られないような環境で仕事をするか、もしくは仕事がひと段落するまで愛犬をケージで待たせるなど距離をとるほうが、かえってストレスを感じにくい場合もあるでしょう」
在宅勤務をしている飼い主さんが覚えておきたいこと
「愛犬との関り方にメリハリをつけましょう。たとえ在宅勤務をしていても、『仕事の最中は愛犬に一切かまわない、声もかけない』という対応をするほうが、愛犬にとっても『今はかまってもらえない状況なんだ』と伝わりやすいです。
そのため、愛犬と部屋を分けたり、愛犬をケージで過ごさせるなどの対応をすることも『今はかまってあげられない』と伝わりやすくなります」
「よくない対応は『仕事をしながら片手間に声をかけたり、かまったりする』というやり方です。愛犬にとっては、飼い主さんの状況にかかわらず『いつでもかまってもらえる』と勘違いをさせてしまうので、注意しましょう」
時間がとれるタイミングで愛犬の相手をしてあげよう
「そうですね。愛犬にとっても『すぐそばにいるのに、かまってもらえない』と不満を感じやすい状況になりがちです。
そこで、仕事の切れ目などで少し時間をとれるタイミングがあれば、仕事の手を休めて5分~10分くらい集中して遊んであげるなど、しっかり向き合ってコミュニケーションをとる時間を持つことで、愛犬の気持ちをより満たしやすくなります。
仕事の途中で時間をとるのが難しければ、お昼の休憩時間などに短めのお散歩に行く時間をとるなどの工夫もよいでしょう」
在宅勤務→通常勤務に戻ったときのことも見据えて、愛犬との関わり方を考えよう
「在宅での業務は、『出勤時には充分かまってあげられない愛犬との時間が増える貴重な機会』だと考える方もいらっしゃるかもしれません。
ご自身が家にいるときくらいは愛犬を自由に過ごさせてあげたいからと、仕事中でもケージから出したり、部屋を自由に行き来させたりしがちにもなるかもしれません。
しかし、愛犬にとってはたとえ室内で自由に過ごせても、結局は飼い主さんに充分かまってもらったり向き合ってもらったりはしてもらえない状況なので、かえってイライラしたり、混乱してしまうこともあります」
「飼い主さんの気を引きたい一心で吠えたり、かじったり、イタズラをしてしまったりなど、いつもならしないような行動をしてしまうこともあるでしょう」
在宅勤務でも特別なことをせず、いつもの留守番の習慣を崩さないようにしよう
「在宅勤務の場合、休日のように愛犬が満足するかたちで充分向き合ってあげることは、むしろ難しい状況でもあるでしょう。
そのため、在宅勤務だからと特別なことをするのはなるべく避け、基本的には通常勤務の際と同じような留守番のスタイルを守ることで、まずは飼い主さんがしっかり仕事に向き合う環境を作ることが大切です。
そして仕事の休憩の間など、業務に支障のない範囲で愛犬に向き合うタイミングをつくり、こまめに遊んで発散させてあげましょう。そうすることで、愛犬も『飼い主さんが家にいるのにかまってもらえない』というストレスは、感じにくくなることが期待できます」
「そうですね。在宅勤務の際に特別な対応をしすぎず、できるだけいつもの留守番の習慣を大きく崩さないようにすることで、いざ通常勤務に戻った際の愛犬のストレスも、最小限にとどめることができるでしょう。
生活のリズムをできるだけ崩さないようにしながら、愛犬の気持ちを上手く発散してあげてくださいね」
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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