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嫌がっても「諦めてもらう」までやると【穴澤賢の犬のはなし】

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先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

うちではだいたい月に一度は大福を洗うようにしている。洗われる雰囲気を察すると逃げたり、洗っている最中は不幸のどん底のような顔になる富士丸と違い、大福はじっと耐えてくれるので楽だ。

洗う側も苦労がある

とはいっても2頭いると結構大変で、手分けしてまず風呂場で嫁が大吉をシャンプーし、洗い終わった大吉を私が乾かして、その間に嫁が福助をシャンプーし、私が乾かすという手順でやるが、2時間以上。抜け毛だらけになった部屋の掃除も含めると、午前中いっぱいかかる。

が、そんなことでくじけている場合ではないから、休日の午前中に気合を入れて洗う。今ではどちらもドライヤーは平気で、そんな動画を『インスタ』にアップすると「うちのコはドライヤーをすごく嫌がるんですが、どうやったらそうなりますか?」と聞かれたことがある。

大吉はなぜか最初から平気だったが、福助はドライヤーをすごく嫌がっていた。最初はひらすら逃げていた。まぁ、犬からしたらボーと風が出てくる謎の物体なんだから、逃げるのも仕方ない。が、濡れたままにしておくと家のあちこちがビショビショになるから困る。

福助のドライヤー克服法

ではどうしたかというと、逃げても捕まえてドライヤーをかけただけ。とはいえそんなにすぐには慣れない。隙を見ては逃げるのを繰り返す。その度に「はいはい、無理だから」と抱き上げてまたドライヤーをかける。

何度も何度もそれを繰り返していると、次第に逃げても無駄だと気付きはじめる。この諦めの境地が肝心で、その段階までこちらが諦めないことが大切ではないかと思う。

嫌がることはなくべくやらないようにするが、ドライヤーに限らず、歯磨き、耳そうじ、動物病院など健康に関わることなら私は諦めない(ドライヤーは健康とあまり関係ないけどこっちが困る)。老後のことを考えて『家でもトイレ作戦には敗北』したが、中型犬だから足腰が弱くなっても抱きかかて階段を上り下りできるだろうと彼らの主張を認めた。

ドライヤーについて、福助も今ではウトウトするくらい心地良いらしい。なんだか私が召使いみたいになっているが、楽だからいいか。そして、後には舞い上がった毛の掃除が待っている。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
ツイッター
インスタグラム

大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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