先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。
2017年初夏、長野県・八ヶ岳の山の家を手に入れてから現在に至るまで4年間、ドッグラン作りに試行錯誤してきた。詳しい経緯は
過去記事を見ていただくとして、最初は雑草が生い茂って荒れ果てていたところから草刈り機デビューして、ウッドチップを自力で運び一応ドッグランができた。
いつかのためのアドバイス?
その過程で学んだことがいつくかある。いつか愛犬が思い切り走れるプライベートドッグランを作ってやりたいと思っている飼い主も多いはず。そんな人の参考になればと思い、私からアドバイスできることを書いてみる。
まず、草刈り機は必要で、バッテリー式よりエンジン式の方がパワーがある。雑草次第ではバッテリー式でもいいが、充電しないといけないから作業時間が限られる。その点、エンジン式は燃料を補充すればいいので思う存分草刈りができる。
わが家の場合は、石がほとんどなかったので、草刈り機の刃を地中まで入れて根を切る勢いで刈っていた。これで土がむき出しのドッグランができたが、困ったこともある。遊ぶ度に大吉と福助の足が泥だらけになるのだ。毎回バケツの水に足をつけて洗わなければ落ちない。
これは大変だ、ということでドッグランに
ウッドチップを敷いた。私の場合、ウッドチップは伐採業者に頼めば軽トラの荷台1台分7000円くらいで安く譲ってもらえたので、コストパフォーマンスもよかった。坂道をかついで運ぶのが大変だったけど。
雑草との戦いが大変
しかし、毎年春になるとあちこちからタンポポやクマザサがニョキニョキ生えてくるから、しょっちゅう草刈りしなければならない。そんなことを何年も繰り返していると、それではいつまでも雑草はなくならないと地元の人が教えてくれた。いくら草刈りしても、根が残っていたらまた生えてくる。だからタンポポやクマザサは根ごと抜かないといけないらしい。そうなのか。これまでの苦労は何だったんだ。
そんなわけで、タンポポとクマザサを根から引っこ抜くことにした。これがまた大変で、時間もかかるし、相当疲れる。なんとかだいたい抜いたが、ここでまた問題が発生する。根を抜く時に土を掘り起こしたから、また遊ぶ度に泥だらけになるのだ。なのでこれから再度ウッドチップを撒かないといけなくなった。
この数年で私が学んだことをまとめると、最初に草刈りするときは、雑草は根ごと抜かないといけない。でないと永遠に草刈りを繰り返すことになる。その後ウッドチップを撒くより、芝でも植えればいいんじゃないかと思う。ウッドチップを運ぶのは大変だし、芝生のほうが犬たちも汚れないし、見た目もいいはず。あぁ、4年前にこれが分かっていれば……。彼らが楽しければそれでいいけど。
プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から
「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。
福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。