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ドッグランにもっとウッドチップを!【穴澤賢の犬のはなし】

これまでこの連載の『プライベートドッグランの歩み』で書いてきたように、格闘の末、山の家のドッグランにはウッドチップを撒いている。雑草防止など理由もあるが、一番の目的は「犬たちの足が汚れないように」だった。土で走ったり転げ回ったりされると、ドロまみれになるのだ。

毎度、泥汚れとの戦い

遊んで汚れるのは別にいいのだが、そのままベッドに飛び乗ったりするから、さすがに部屋に入る前に足はふく。けれど肉球の間もドロドロだから濡れたぞうきんくらいではきれいにならず、水を入れたバケツに一本ずつ足を入れて泥を落とさなければならない。毎回だから、これが結構面倒なのだ。

対策としてウッドチップを撒いてみた

だからウッドチップを撒いたのだが、ほどよく弾力もあり、彼らが嫌がるそぶりもない。ただ、量が足りない。全体に撒いたつもりだが、ところどころ土が出ている。
そこで伐採業者に聞いたら、他の現場で出たウッドチップならトラック一杯分7000円でいいという。ただ、上までは運べないとのことで道路沿いに積んでおいてもらった。

さて、どう運ぼうか

これを自力で上まで運ぶのかぁ。「猫車」はあるが、この坂道を押して登るのはどう見ても無理だ。うーん、困った。どうすれば効率よく運べるだろう。そこで考えたのが、次の方法。
「IKEA」の大きなバッグに詰め込んで、それをかついで階段を登る。めちゃくちゃ人力だが、これくらいしか思い浮かばない。ウッドチップだからそんなに重くはないだろう。

完成まで頑張るしかない

さっそくやってみるが、まぁまぁ重い。両肩にかついでこの坂を登るのは結構つらい。それでもやらないと、ウッドチップは永遠に道路沿いから動かない。頑張るしかない。
バッグをかついで階段を登り、ウッドチップが薄いところに撒いていく。1回で運べる量はしれているから、何往復かしてもこんな状態。先は長い。くじけそうになるが、このくらいではめげないぞ。
山の家がある場所は標高1500メートルで涼しいとはいえ、汗だくになる。息もあがってくる。しかしウッドチップの山はほとんど減っていない。休憩したら動けなくなりそうだから、頑張る。あと10往復はしよう。ひとまず今日はそこまではやろう。

飼い主の心を知らない大福

その隣ではしゃいでいる大福。
そのうち穴を掘り出す福助。土まで到達、前足が……。
君、なんのために俺が必死でウッドチップを運んでいるか、知ってる?



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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