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思いがけず大吉のピンチを救う?【穴澤賢の犬のはなし】

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先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

このところ、大吉と福助は日中3階の寝室にいることが多い。だから今も仕事部屋で1人これを書いている。それは別にいいしさびしいとも思わない。これまで私が行った生態調査によると、彼らは夏場は1階の仕事部屋にいる。しかし涼しくなってくると3階の寝室に消える。つまり温度に依存しており、より快適な方にいるだけなのだろう。

2頭との適度な距離感

私が出かけるときに見送りはしないし、出迎えもない。2階のリビングでゴロゴロしていたり、気が向いたときにひょっこり仕事部屋に来たり、振り返るといつの間にかいなくなっていることがある。わが家はそういう距離感なのだ。

そんなだから、ちょっと出かけるくらいならわざわざ彼らに声をかけることもない。これまでの傾向を分析すると、留守番も5時間を越えるくらいまでは無反応だからだ(5時間を越えると帰宅時に「どこ行ってたんだよもう」と階段の上から不満そうな顔で見下される)。

※今回は写真を撮っている余裕がなかったので本文とは関係ありません

そんな関係だが、ちゃんと彼らのことは考えている。ちょっと出かけるにしても、夕方の散歩の時間までには必ず帰宅するようにしている。夕食の買い物だって、散歩前か散歩後にしている。昔からずっと在宅なので、そのあたりは融通が利くのだ。

突如やって来た大吉のピンチ

この間、14時半頃に仕事が一段落した。まだやることはあったがそれは散歩の後にして、早めに買い物に行っておくことにした。車でスーパーに行っても散歩の時間までには余裕で帰って来られる。出かけるとき、もちろん見送りはなかった。

買い物を終えて家の裏に車を止めていると、珍しく窓から大吉の姿が見えた。こちらを見て顔を輝かせている。普段そんなことはない。もしかして喜んでいるのか? と一瞬思ったが、たかだか1時間くらいでそんなはずはない。散歩の時間にもまだ早い。

玄関を開けると、大吉はすでに待ち構えており(これも普段はない)、ハァハァいいながら落ち着きなく体をクネクネゆらしている。なるほど、そういうことか。と思った矢先、スタッと玄関に降り立ち「行こう!」という顔をした。促されるまま慌ててリードを付けて外に出ると、すぐに家の前の草むらでウンチをした、少しゆるめの。

きっとこういうことだろう。私が出かけてほどなく、3階の寝室で大吉はギュルルルともよおした。私がいるかと思って仕事部屋に降りてきたが誰もいない。そうこうしているうちに便意はつのる。どんどん危機が迫ってくる。どうしようどうしよう。さぞ焦ったことだろう。

そこに私の運転する車が戻ってきた。よかった! 助かった! だから目を輝かせていたんだろう。便意が迫ってきたときに必死でトイレを探すときのあの緊迫感は分かる。「頑張れ、耐えろ!あと少しだ!」と自分に語りかける闘いも。そして間一髪で間に合ったときの脱力と安堵感も。

だからこそ無事にウンチをし終わってスッキリした大吉に心の底から「よかったな」と思った。が、そもそもうちにはそんなときのためのトイレスペースがあるのに、なぜそこでしないのか。しかしそれが大吉のルールなんだろう。困ったもんだ。



プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。

ブログ「Another Days」
ツイッター
インスタグラム

大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。

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