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「犬は喜び庭かけ回る♪」のか【穴澤賢の犬のはなし】

先代犬の「富士丸」と犬との暮らしと別れを経験したライターの穴澤賢が、
数年を経て現在は「大吉」と「福助」(どちらもミックス)との暮らしで
感じた何気ないことを語ります。

2022年の正月休みは山の家で過ごしていたが、12月28日ころから雪がちらつき、29日からは積り始めた。とはいえ、山の家がある長野県八ヶ岳の原村あたりは決して雪深い地域ではないので、それほど期待していなかった。ところが翌日になってもまだ雪は振り続け、31日には20センチほど積もった。犬が雪遊びを楽しむには十分である。

雪を見る愛犬の反応は?

果たして、犬は喜び庭かけ回るのか。特に犬と暮らしていない人は知らないと思う。そこでわが家のケースを紹介したい。結論から言うと、雪が積もったからといって、犬が喜んで庭かけ回るとは限らない。
大福に関して言えば、喜ぶどころかめちゃくちゃテンションが低い。雪が積もっても散歩には行かないといけないのだが(外でしか排せつしないから)早々に用を足して、一目散に帰りたがる。こっちだってわざわざ雪の中、散歩なんか行きたくないのに迷惑そうな顔までされる。
これにはいくつか理由があり、まず雪が降り続けているのが不快らしい。顔に積もるし、冷たいし。もう1つは、雪が降り続いている状態だと気温が上がらず寒いのだ。この日も朝はマイナス13℃くらいで、曇っているからそこからほとんど上がらない。だから暖かい室内に早く帰りたい、ということらしい。なんと軟弱な。

晴れた雪の日は好きなのか

しかし雪雲が去り、青空が広がると状況は変わる。気温はぐんぐん上がり、昼には13℃くらいになる。朝と比べると20℃以上違うんだからどれだけ気温差があるんだと思うが、雪に限らず標高1500メートルくらいではよくあることだ。
そうなると、大福はドッグランで遊ぶ。さっきまでのテンションの低さがうそのように雪の中ではしゃぎ出すのだ。
以上のことから、雪が積もると犬は無条件に喜んで庭かけ回るわけではないといえる。ある条件をクリアしないといけない。それは雪が降り止み、晴れて気温が上がること。そうならないと、喜ばないのだ。
それはほとんどの犬に共通していることではないかと思う。まあ、考えてみれば誰だってがんがん雪が降っている寒い中で遊びたいとは思わないか。
今回はたまたま好条件が揃ったのだろう。好きなだけかけ回ればいい。雪が積もると色々面倒だが、それだけはよかった。


プロフィール
穴澤 賢(あなざわ まさる)
1971年大阪生まれ。2005年、愛犬との日常をつづったブログ「富士丸な日々」が話題となり、その後エッセイやコラムを執筆するようになる。著書に『ひとりと一匹』(小学館文庫)、自ら選曲したコンピレーションアルバムとエッセイをまとめたCDブック『Another Side Of Music』(ワーナーミュージック・ジャパン)、愛犬の死から一年後の心境を語った『またね、富士丸。』(世界文化社)、本連載をまとめた『また、犬と暮らして』(世界文化社)などがある。2015年、長年犬と暮らした経験から「DeLoreans」というブランドを立ち上げる。
ブログ「Another Days」
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大吉(2011年8月17日生まれ・オス)
茨城県で放し飼いの白い犬(父)とある家庭の茶色い犬(母)の間に生まれる。飼い主募集サイトを経て穴澤家へ。敬語を話す小学生のように妙に大人びた性格。雷と花火と暴走族が苦手。せっかく海の近くに引っ越したのに、海も砂浜もそんなに好きではないもよう。

福助(2014年1月11日生まれ・オス)
千葉県の施設から保護団体を経て穴澤家へ。捕獲されたときのトラウマから当初は人間を怖がり逃げまどっていたが、約2カ月ほどでただの破壊王へ。ついでにデブになる。運動神経はかなりいいので、家では「動けるデブ」と呼ばれている。
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