愛犬とお出かけするのは楽しいですよね。しかし、屋外には犬にとって危険なものも多く、口に入れたり触れたりしないよう注意が必要です。今回は、犬が屋外で誤食すると危険なものについて、斉藤動物病院院長の齊藤邦史先生に教えていただきました。
中毒症状を起こす危険性があるもの
野生生物
山や川、海などには必ず野生生物がいます。これらの生物は寄生虫や細菌をもっていたり、ヒキガエルのように体表から毒素を分泌したりすることもあります。また、マムシなどの毒ヘビは、かまれると中毒症状を起こす危険があります。
犬にとって危険な野生生物
- カエル
- ヘビ
- 毛虫
- ミミズ
- ノミ
- マダニ
- ザリガニ
- サワガニ
- 貝
- 亀 など
植物
草花のなかには、犬が食べると嘔吐や下痢などの中毒症を起こすものがあります。とくに球根部分は毒性が強い場合が多く、シクラメンの球根などは誤食すると死に至ることも。また、ユリは全体に毒性があり、急性腎不全を起こす原因になることもあります。
犬にとって危険な植物
- アサガオ
- カーネーション
- ユリ
- スイセン
- シクラメン
- 福寿草
- ヒヤシンス
- チューリップ など
消化器官を傷つける危険性があるもの
食べもの
チキンの骨、焼き鳥の串といった人の食べ残しや、果物の種(梅・桃・プラムほか)などは中毒のほか、のどや消化器官に詰まったり、刺さったりすることもあるので危険です。
ゴミ
屋外には釣り針やガラスの破片、タバコの吸い殻、お菓子の袋など、さまざまな危険なゴミが落ちていることがあります。誤食してしまうと中毒のほか、気道や消化器官が傷ついたり、詰まったりする危険もあります。
土・小石
屋外の土や小石には、細菌やウイルス、寄生虫などが付着していることがあります。犬が誤食してしまうと、感染症や食中毒、気道や消化器官の閉塞を引き起こすことがあるので、注意が必要です。
拾い食いをさせないための対策とは
犬にとって危険なものを拾い食いさせないためには、ふだんから飼い主さんが、愛犬の行動やまわりの環境をよく観察しておくことが大切です。危険物があったら愛犬に先んじて見つけ、リードを短く持って、危険なものを避けて歩くことを習慣にしましょう。
愛犬を呼び戻す「オイデ」や、飼い主さんの横に「ツイテ」歩くことができるようにしておくと、よりいいですね。
自然の多い場所へのお出かけは、楽しく気持ちがいい反面、犬と危険なものを接触させる機会を増える可能性も。愛犬の健康と安全を守るためにも、犬にとって屋外の何が危険なのか、どう対策すればいいのかをしっかり頭に入れておきましょう。
お話を伺った先生/齊藤邦史先生(斉藤動物病院院長 獣医学修士 日本臨床獣医学フォーラム監事)
参考/「いぬのきもち」2019年5月号『暑いシーズンの始まり……GWのストレス……5月は犬にとってバテやすい季節だった!? 住<環境>・食<中毒>・皮<アレルギー>の「5月バテ」から愛犬を守ろう!』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。