体に土をつけまくるのはなぜ？　散歩時に犬がよく見せるフシギ行動を解説

愛犬と庭で遊んだり散歩をしたりしていると、いきなり土に体をすりつけたり遠くの犬と吠え合ったり、飼い主さんとしてはびっくりするような行動をとることがありますよね。
そこで今回は、屋外にいるときに犬がとるフシギな行動の理由について、獣医師の増田宏司先生が人の行動に置き換えて解説。愛犬の気持ちを読み解くための手がかりにしてみてくださいね。

地面に転がって、体に土をすりつける

なんともかぐわしいニオイがする土は、犬にとってとても魅力的です。そんな土に体をすりつけるのは、大好きな土が目の前に広がる状況に高揚し、このニオイを全身で感じたいという気持ちから行っていると考えられます。

人に例えると、ちょっといいホテルに宿泊した際、ふかふかのベッドに思わずダイブしてしまうような感覚かもしれませんね。

おやつやおもちゃを土に埋めて隠す

犬は「自分がもらったものは取られたくない」という気持ちが強いため、好きなおやつやおもちゃだけでなく、特段好きなものではなくても土に埋めて隠してしまうことがあります。とりあえず埋めておいて、あとで使おうと思っているのかもしれません。

人の子どもで例えると、ペットボトルキャップや貝殻などを、親に捨てられないように隠しておくような行動です。

散歩中、犬同士で遠くから吠え合う

犬同士にも相性があるので、苦手な相手には近付きたくないと考えるものです。苦手な犬が視界に入った場合は遠くから吠えて「近付かないで！」と主張します。ただ、相手の犬も負けじと吠え返すことがあるので、犬同士が吠え合う状況が生まれるわけです。

ただ、ワンワンと吠え合っていても、できればケンカはしたくないのが犬たちの本音。人で例えると、仲の悪い者同士が、一定の距離を保ちながら牽制し合っているようなシチュエーションでしょう。

ほかに犬に向かって、低くうなる

犬がほかの犬に向かって低くうなるのは、ケンカをしかけているのではなく、ケンカを避けるための行動です。犬は基本的に平和を愛する動物なので、片方がうなると相手は「近付かないほうがいい」と察し、服従の姿勢をとって争いを避けます。
これは犬世界のマナーで犬独特の行動なので、人の行動に例えることはできません。

犬の行動を人に置き換えて考えると、愛犬のしぐさひとつひとつに共感できるようになるかもしれません。ただ、犬独自の行動もあるため、犬の習性を学んで理解することも大切ですね。

お話を伺った先生／増田宏司先生（獣医師博士（獣医学）東京農業大学農学部動物科学科（動物行動学研究室）教授）
参考／「いぬのきもち」2023年5月号『飼い主さんへの行動はまるで”推し活”！？あのフシギ行動の理由も！犬のしぐさを人に置き換えたらよ～くわかった！』
文／東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※本記事では内容をわかりやすくするために、擬人化した表現を用いています。

CATEGORY 犬が好き

2023/06/16 UP DATE